ケンタッキーフライドチキンが無償に食べたくなる。
あの
香りがたまらない。
噛むと、ジュクッと吹き出てくる
肉汁がたまらない。
手をベトベトにして食べる、野卑さに惹かれる。
鼻に抜けていく香辛料に
ずるささえ感ずる。
最後に骨のまわりを歯でこさぐ時のこさぎ感の楽しいこと!
(あの動きは、
こさぐ という言葉で正しかったかな?)
脂だらけになった自分の指がいとおしい。
指が旨いとさえ思いたくなる。
間違って、かじったりする。(ほんとか?)
3ピースある内で一番好きなのは、こぶしの形をした奴だ。
あばら骨が付いているので、恐らく胸の部分なんだろう。
あの…
皮が旨い。
ベリッと引っ剥がれる脂ボトボトの
皮。
あの皮だけを、10枚くらい売ってくれないかな。
『カワ、10枚で御座いますねぇ。お持ち帰りですかぁ?』
お持ち帰りぃ、テーブルに広げてぇ、ムシャムシャやる。
ひと皮食べても、オカワリがある。
ふた皮食べても、オカワリがある。
み皮食べたら、憲一だ。
何皮食べたら、ゲップが出るだろう。
何皮目に、胸焼けしてくるだろう。
ゲップで胸焼けしても、食べ続けるだろうな。
もう一枚、あと一枚…と食べ止めないだろうな。
あの旨さは20世紀の宝だな。
ああ、バケツで食べたい…