『シロナガス鯨が、一部解禁になりました』
美容院で雑誌を読んでいると、大阪の鯨料理屋の女将が
そう語っている。
(え~シロナガス鯨!こうしちゃいられない!)
あわてて大阪に向かった。
大阪は、法善寺横町のすぐ脇にある鯨料理<
徳家>
普段我々が食べているのはミンク鯨である。
(
普段には食べてないか…)
地球最大の動物が<シロナガス鯨>だ。
体長は20メートルを超える。
鯨は大きい程、旨いらしい。
ところで、鯨を食べる話をすると、捕鯨問題で叱られる。
しかし、幼少の頃に
鯨ばかりを食べさせられた子供の身にもなって貰いたい。
牛も、豚も、鳥も、卵もほとんど食べた記憶が無い。
一年に1・2回だ。
哺乳類たんぱく質はおおむね、鯨さんが供給してくれた。
肉と言えば、鯨だったのだ。
学校の給食では2回に1回は鯨だ。
トンカツならぬ、ゲイカツ。
クジラジャガ。缶詰も鯨缶。
大切に大切に食べていたのだ。
鯨用の味覚を、望まずして獲得させられたのだ。
鯨に大事に育てられたと言っても言い過ぎではない。
鯨で
舌を鍛えたのだ。
鯨の
舌立て伏せをしていたのだ。
鯨の
舌腹筋をさせられていたのだ。
鯨の
舌懸垂がつらくて、泣いていたのだ。
だから、少しは大目に見てちょうだいな。
おかわりはしないから・・・