<キー不精>の事を以前書いた。
(’06、2月24日
《キー不精》、9月4日
《キー不精②》参照)
キー不精とは、
筆不精の事なのです。
最近、ある方から、たいそうなお酒を贈って貰った。
さあ、
礼状を出さなければ・・
便箋と筆ペンを用意した。
なぜ
筆ペンかというと、筆の方が、大きな文字になるし、
行からハミ出るし、字数の割りに、
行が稼げるからである。
そうなのだ、このイシマル、お手紙が書けないのだ。
『
先日は
でもう、筆が止まってしまう。
筆ペンを握りしめたまま、じっとしている。
じっとしている事が最も不得意な、落ち着きのない私が
まるで、地蔵さんの様に動かない。
便箋を見つめている。
11本線が引いてある。
つまり、10行の白紙が目の前にある。
一行飛ばしに書いたとしても、5行は書かなければ
一枚がクリア出来ない。
最低限、便箋2枚書くとすると、
10行は書かなければ。
まあ、最後の一行は、名前で埋めるとして・・
9行は必要だろう。
9行も心が込められるだろうか?
まだ、一行目の始めで悩んでいるというのに。
そうか、最後の名前の前に、日付を入れれば、それで
一行稼げる。
残るは
8行だ。
待てよ、手紙の最後には、<敬具>ってのを付けるな。
よし、これで一行。
残るは、
7行だ。
ふむふむ、文の最後はやっぱり
「どうぞ御身体を御自愛下さい」
が定番ってえもんだろ。よし、これ付けよう。
ちょっと待て。ならばそれを膨らまして
「どうぞ
健康に気を付けて末永く、
御身体を御自愛下さい」
と増やせば、2行に渡る仕掛けになる。
やや、卑怯かもしれないが、この際、止むを得まい。
したがって、残るは
5行。
健康の事に触れたのだから、コレにも触れとこう。
「今年の冬も寒さがことさら厳しく、
どうぞ~
よし、又一行頑張ったぞ。
(今年は暖冬である事は、非常時と云う事で無視しよう)
あと、
4行。
そうか、今のも膨らませよう。
今年の の前に
「暖かい春を今か今かと待ち焦がれる
年齢になった我々にとって、」
を付けよう。
おっ、思いのほか、2行費やしてしまったぞ。
ラッキー!
とすると、あと
2行だな。
なんか無いかな?
もうこうなったら、ヤケだ!
枕を付けよう。
暖かい春の前に、
「春うらら、春うらら」
よお~し、あと
一行!
う~~~~ん
が~~~~ん!
なんだ、こんな簡単な事を忘れていた。
最初は、<拝啓> で一行じゃないか!
よし出来た。やっと書いて出せる。
手紙を
ラストから書き進めていくと云うこの
技法、使えるな。
今後の為に、技法を確立させておこう。
手紙を書くという行為は、私にとって
かくも苦しい作業なのです。
だから、ホームページにメール下さった方、
返事が行かなくても、ちゃんと読んでますからね。
ご安心下さい。
さあ、礼状を清書して出そう!
1 拝啓
2 春うらら、春うらら
3 暖かい春を今か今かと待ち焦がれる
4 年齢になった我々にとって
5 今年の冬も寒さがことさら厳しく
6 どうぞ健康に気を付けて末永く、
7 御身体を御自愛下さい。
8 敬具
9 ○月○日
10 石丸謙二郎
(ん?
御礼は、どした?)