観光旅館に泊まる事がある。
値段は様々だ。
<旅館>だから、普通1万円~の値段になる。
よし!清水の舞台から飛び降りよう!
飛び降りて、
25000円を越える旅館に泊まる事がある。
ひえ~!
さすがにさすがだ。
かなり贅を凝らしている。
玄関も、廊下も厳めしい。
柱一本をとっても、『どうだ!』と胸を張っている。
置物ひとつをとっても、『参ったか!』と威厳がある。
露天風呂に浸かると、海に夕日がドボンと沈んだりする。
料理に至っては、余りの品数の多さに、
「私、一日30品目と医者に言われてますので・・」
と、つい尻込みしそうである。
しかし!
さて、寝ようとした時、この
布団はなんだ?
枕に頭をドタっと乗せ、両腕を開くと
両ヒジから先が、敷布団から、はみ出ている。
そのまま片方に寝返りをうつと、
もう崖っぷちである。
せ、せまい!
一生の三分の一を包んでくれる大切な布団だ。
我ら市民、家庭でさほど大きな布団で眠れない。
だからこそ、旅に出たのだ。
だのに、お値段の張る旅館で、コレだ。
あの柱と夕日を見せられた後で、
このミニチュアダックスフンドの布団で眠れというのだ?
あれだけの贅を尽くしながら、何故、
布団に重きを
置かなかったのだろう。
ん?
よくよく布団を観察すると、上質の羽毛布団である。
寸法が小さいというだけだ。
イシマル慌てて、襖を開けた。
ガタピシっ!
問題は押入れにあったのだ。
布団を仕舞い込む
押入れ が小さい!
必然、布団も小さくなる。
旅館業界様・・よろしくね
世の女性達は、
風呂と布団が大好きなのよ。
清水の舞台から飛び降りた役者も、広い布団が好きなのよ。
田山花袋も泣いてるよ。