刺身にしてみました
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<イナダ爆釣中>(ばくちょう)
の新聞の文字を見つけて、早朝、神奈川県、三浦半島に出かけた。
イナダとは、将来
ブリになる青年魚である。
体長は50センチ程で、1~1,5kg
冬の時期、脂がのって美味いのなんの!
ところが、港に着いてみると、海がただごとではない。
荒れている。
南西の風が、10数m吹き荒れている。
ええいままよ、食い意地が張ったイシマルくん、
漁船に乗り込んだ。
外海に出てみると、波の大きさが半端でない。
ウインドサーフィンで、大きな波に慣れている筈なのに、
木の葉の様に揉まれる船に、必死でしがみ付いている。
やがて、漁場に着いた。
しかし、釣りどころではない。
波の谷底から、二階建ての高さにグワ~んと持ち上げられる。
その瞬間、ヒョイと身体が浮いて落っこちる。
胃がでんぐりがえる。
外から眺めたら、この船は
遭難中と思うだろう。
それでも、食い意地イシマルは釣り糸を垂れた。
寒風にホホを叩かれながら、イナダを爆釣した。
サバもアジも釣り上げた。
3時間経った頃、さすがに床にバタンと倒れこんだ。
限界だ。
船長も危険を感じ一目散に、港を目指した。
さて、陸に上がると、
面白い現象が起こる。
世の中がグルグル動き出すのだ。
足元が動かなくなった代償に、
景色の方が動くのだ。
恐らく、錯覚なのだろうが、とてつもなく気持ち悪い。
なにもかもが揺れている。
手でモノを摘もうとするのだが、
右に左にボクサーよろしく逃げ回る。
8時間酒を飲み続けた時の方がまだましだ。
ヨロケたりする。
3時間しか船に乗っていないのに、
グルグルは、その夜眠るまで続くのである。
そんで、肝心のイナダのお味はどうだったかって?
あ~た、そりゃ、ほっぺたポロポロ!
目尻たらたら!
脂のプリプリの所をシャブシャブで~
しばらく、
イナダづくしの毎日がつづく・・・