仮面ライダー
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<鼻血が出る>
一年に何回か出る。
何か嬉しいイベントが近づくと出る。
サスケが近づくと、もれなく出る。
ブーではなく、
タラ~と出る。
若き頃は、タラーではなく、
ジャーと出た。
水道の蛇口から出る水の様な出方をした。
普段、貧相な食事だったので、久々にご馳走を食べると
興奮のあまり、身体が鼻血で表現してくれた。
ご飯茶碗が、真っ赤にお茶漬け状態になった。
よく笑われた。
『帰省の列車で、美味しい物食べなさい。』
知り合いのおじさんが18歳のイシマルに餞別をくれる。
嬉しい。
寝台列車の食堂車に赴き、ここは、大奮発をして
ステーキ定食を頼む。
しかし、もったいを付けて、なかなか出てこない。
これがいけない。
期待が期待を後押しし、鼻は膨らみ、
ステーキが出てきた時には、最高潮に達している。
三口目あたりで、それが突然始まる。
ジャーーー!
真っ赤なステーキに早変わりだ。
さすがに年齢と共に、最近はジャーとは出なくなった。
タラーだ。
血は大切だという事を、学習した様だ。
しかし、出てくる時間帯は予測出来ない。
こうしてパソコンの前にいる時もあるし、
夜中に始まる事もある。
悲惨なのは、ドラマのロケ中だ。
真っ白いワイシャツを着ている役の時は、
慌てるよ。
『あんた!出てるよ!出てる!ハナ血ハナ血!』
衣装さんが飛んでくる。
周りのスタッフは大笑いである。
鼻の穴にティッシュを突っ込んでいる姿ほど
マヌケなものはない。
そうか、あの日もサスケの前日だったな。
いったん出た血は、
献血出来ないのかな?