<なま春巻き> の食べ方について
今や、あちこちのスーパーで売っている<
なま春巻き>
ちょいと前なら、テーブルが廻る中国料理屋に行かなければ
食べられなかった。
それが、何気なく、スーパーの惣菜コーナーで
お買い求め出来るのだから嬉しいじゃ御座いませんか。
カロリーも低そうだし、
ダイエット中の貴兄、貴姉には、ぴったりのご馳走だ。
半透明の薄皮デンプン越しに透けて見える、
サーモン、はるさめ、千切りにされたキュウリやニンジン、
それを包むサラダ菜。
言い換えれば、
巻き寿司の、中華バージョンと言えるかもしれない。
寿司の海苔の代わりに、半透明の薄皮が使われているのだ。
さて、問題はここからだ。
通常スーパーなどで売られている<なま春巻き>は
ザクリザクリと巻き寿司よろしく、切断されている。
斜めに切られているモノもある。
切断面の美しさで、思わず買い求めている感も否めない。
おお!その買い求めた 現物が目の前にある。
ハシで、ぐにゅっと掴む。
体積の割には、中身はスカスカなので、
ぐにゅっと歪む。
やおら、口元に持って行き、ガブリと噛み付く。
全体の三分の一が噛み捕られる。
さあ、皆さん、たらたらと説明してきましたが、
本日の大問題の急所が近づいてきましたですぞ。
噛み捕ったモノを噛み砕きながら、残りを皿に戻す。
戻す!
その瞬間!
あの筒状の なま春巻きが、なんと!
バランバラン になるのだ!
原型を留めない姿とは、こいつの事か!
・・とののしりたくなる程の
バランバランである。
野菜と、サーモンなどが入り混じったサラダといってもいい。
飲み屋でたのむ、<海鮮サラダ>とどこが違うの?
ついさっきまで、あれほど美しい姿を見せていた
<なま春巻き>が、
たった一口のガブリで
そんじょそこらのサラダ如きに成り下がったではないか。
ここで、あなたに問いたい。
あの、スーパーの<なま春巻き>を
最後まで崩さずに食べる自信がありますか?
ありますか?