『さあ、眠ろう~』
ホテルのベッドに横たわり、呼んでいた文庫本を
枕元で閉じる。
室内照明スイッチを探す。
枕元に幾つかあるスイッチをパラパラと押す。
アッチと
コッチが消えたものの、
ソッチが点いた。
再び適当に押す。
ソッチは
消えたが、アッチが
点いた。
今度は丁寧にアッチを押す。
あれっ、これでも暗くならないぞ。
ふむ、
床から立っている電気スタンドは、
枕元のスイッチでは消えないらしい。
歩いて行って、クサリを引っ張る。
カチャン!
さあ眠るぞ~ と思ったが、なんか入り口の方が明るい。
そうか、
洗面所のライトが点けっぱなしだ。
待てよ、このまま、洗面所のライトを消すと、帰りの距離を
真っ暗な状態で歩かなければならない。
危ない。
そこで、いったん、ベッド横のスイッチで明かりを点け、
洗面所のスイッチを切りに行く。
戻ってきて、ベッドに倒れこむ。
さあ、今度こそ!パチリ!
『さあ、眠るぞ~』
ん・・何となく、
ベッドの下あたりがボンヤリ明るい。
覗き込む。
なるほど、
フットライトとかいう親切なチビ灯りが点いている。
え~と?フットライトのスイッチはどれだ?
暗いので、スイッチが見えない。
しょうがない、適当に押してみる。
パっ!!
部屋の
メインライトが点いてしまった。
点いたのは、解ったが、
どれを押して点いたのかが解らない。
端っこのを押してみる。
一段と明るくなった。
・・
ふりだしに戻ってしまった