<札幌の時計台>
ご存知ですよね。
北海道の観光案内に必ず登場する、あの時計台の写真。
どこから撮ったか知らないが、下から見上げた写真。
背景は真っ青な空。
時計台のその部分しか写っていない写真。
その
下の建物が入った写真は無い。
決して無い。
なぜか?
その前に皆さん、その観光マップの写真群を眺めていると、
北大のキャンパスにあるポプラ並木のすぐ横に
時計台がある様な、錯覚をしてませんか?
広大な緑の自然の中に、そびえる時計台・・
そんな勘違いをしてませんか?
していたいという方はそっち置いといて、話を進めましょう。
ここでよ~く、あの時計台の写真を思い浮かべて欲しい。
持っている方は、北海道の
るるぶを取り出して
ページをめくって欲しい。
下方から、狙った一枚の写真。
何か気付きませんか?
そう、アングルが同じなのだ。
るるぶだろうが、他の雑誌だろうが、
全くと言っていいほど、
同じ場所から、撮影されている。
なぜか?
答えは、その時計台の前に立ってみると分かる。
周りの建物の方が遥かに高い。
都会のビル群に埋もれていると言った方がいい。
そこに、カメラを担いだ輩が来て、
空をバックに
時計台を写そうと考えると、
必然、場所が限定される。
非常に狭い地域に絞られる。
一点しかない事に気付く。
ピンポイントのシューティングレンジである。
『
ここしかない』
・・・
ゴルゴサーティーンが呟いていた・・と
さいとうたかおさんが語っていた(ような気がする)
考えてみるに、時計台は年間夥しい、カメラ取材にあう。
写真のみならず、ビデオクルーによっても撮られる。
これまでの歳月で、どれくらいのカメラが
そのピンポイントに据え付けられた事か・・
それが証拠に、その場所に行ってみると面白い。
札幌、北海道新聞(略して道新)の前の歩道に
その『
ここしかない』がある。
そこをつぶさに観察すると、三脚の跡が、はっきり残っている。
あまたの定点観測の為か、コンクリが
三脚跡に擦り減っている。
神社の階段よろしく窪みになっている。
さあ、皆さん、札幌に旅行に行った暁には、
時計台を見に行くのではなく、
三脚跡を探しましょう。
見つけたあなたは、目をカミソリの様に細くして、
自慢気につぶやくのだ。
『
ここしかない』