<いきつけの飲み屋>
人生、ぼちぼち年をコイてくると、いきつけの店を欲しがる。
欲しがるらしい。
ところが、人によっては、飲み屋と限らない。
いきつけの○○!
さあ、あなたの好きな店を○○に入れよう。
ふむふむ、では、私も入れますですよ。
<
いきつけの魚屋>
そうなのだ。
魚屋なのだ。
「けっ、いきつけが魚屋かい!」
っと蔑まないで下さい。
魚大好き、さかな命のイシマルの切なる思いなのです。
私は、常々、暇を見つけては、
<魚屋さん廻り>
をするのだ。
町の魚屋の前に立ち止まる。
魚を見る。
特に、鮮魚を見る。
切り身、刺身、干物には目もくれない。
一匹丸まんまの魚しか興味がない。
パッチリとした目を見開いた、サバ君を見つめる。
ボッチリとした、イワシ君のお腹を見つめる。
「いきゃあ~すかあ~カンパチ脂のってっすよぉ~」
(ふむふむ、この店もかなりのレベルの魚を並べてるな・・)
次に行く。
「らっしゃ~、あがってますヨ~イサキ、イサキだよ~」
次に行く。
「だんな!今朝とれとれのアオリイカ、持ってく?」
次に行く。
「ン客さ~ん、何にしますぅ?もう、随分見つめられてますけど・・」
次に行く。
実は、次が本命なのだ。これまでは、
本命のお店に行く為に、ホップステップジャンプをしていたのだ。
ジャア~~~ンプ!
<
丸新(まるしん)>
ここは、普通の魚屋さんではない。
漁港にある。
釣り人が釣ってきた
魚を引き取る店だ。
釣り人は、時折、釣り過ぎて困まる事がある。
そういう魚を、買い取るのだ。
それを、我々に売ってくれるのだ。
魚を最も美味しく調理するコツは、何だか知ってる?
それは・・<
釣った魚を丁寧に扱う>
そうなのだ!
釣られたあげく、丁寧に丁寧に扱われた魚が
丁重に丁重に売られているのだ。
しかも、や・や・安いのだ。
『イシマルさん、これも持ってキ!』
買った魚より大きいタコを、
おまけに付けてくれるのだ。
『そこに積んであるダイコンとキャベツも持ってキナ!』
おまけが多いのだ。
むしろ、おまけの方が、よそで買ったら高いのだ。
そして、何より、原点の、
魚が美味い!
もいっかい言おう!
さかながうまい!
大盤振る舞い、もいっかい言ってみよう!
さかながうまい!