22歳のイシマルがアルバイト先での事。
ゴリラのぬいぐるみの声を二人のアルバイトの内、
どちらかが、やらなければならない。
これがしんどい。
マイクでゴッホゴッホを3分もやっていると、
過酸化症になる。
そこで、毎日、その役目を、ジャンケンで決める事にした。
どうせだから、
<
おとなのジャンケン>
でやろうとイシマルが提案した。
「おとなのじゃんけんって何?」
それはおいおい解ります。
というより、本日は、頭をクリアにして、
クイズ番組だと思って読み進めて下さい。
まず、
【
大前提;じゃんけんに負けた者が、ゴリラの声をやる】
紙に書いて壁に貼った。
1日目;
イシマル『とりあえず、今日初日だから、声俺がやるわ。でもまあ
一応ジャンケンやろう。俺
グー出すからさ、好きにして』
ジャンケンポン
これで実は
チョキを出す。相手はパーなのでイシマルの勝ち。
相手「きったね~」
2日目;
イシマル『昨日はごめんごめん。今日こそグー出すからさ。
これで、一回づつの声出しだね』
ジャンケンポン
しかし、又、
チョキを出す。イシマル連勝。
相手「ねえ、するいよお~」
3日目;
イシマル『ホントに悪かった。今日はグー以外のモノを出したら
人間性疑ってくれていいから、絶対グー出すよ。』
ジャンケンポン
又、
チョキを出す。3連勝
相手「人間性疑うよ~」
4日目;
相手「もう止めましょうよ」
イシマル『駄目だよ、ここで止めたら、負け逃げだよ!
あのね、今日はこれまでのつぐないだよ。もし、俺が
ジャンケンに勝ったとしても、俺が声やるから』
相手「じゃ、グー出しますかぁ?」
イシマル『出す』
ジャンケンポン
又、
チョキを出す。勝った。
相手「勝ったら、声やるんですよね。そう言いましたよね」
イシマル『大前提、壁の文字を見てごらん』
【
ジャンケンに負けた者がゴリラの声をやる】
4連勝
5日目;
イシマル『えっバイト明日までなの?じゃあ、今日だけは、
勝たしてあげるよ。
アト出しOKにするからさ。
ちなみに俺はグーだよ。ほら、出しっ放しにしとく』
ジャンケンポン
イシマルはグー、相手はパー、その瞬間にチョキに変える。
相手「ずるい、今変えたじゃん!」
イシマル『だから、
アト出しOKって言ったじゃん』
5連勝
6日目;
イシマル『最後だね。よし、こうしよう、俺の右手をそこにある
ガムテープでグーの形のまま、巻いちゃいな。
これでジャンケンをやろう』
ジャンケンポン
と、左の手でチョキを出す。
相手「あんた卑怯ですよ」
イシマル『右手でやるとは言ってないじゃん』
~~~ ~~~ ~~~
確かに卑怯極まりないジャンケンである。
これが、10日くらい続くのである。
しかし、ここから先は、発表出来ないな。
22歳のイシマルの人間性を疑われてしまう。
「もう充分疑ってます」
そうですか・・
じゃあ、疑われついでに
7日目だけ、こそっとお教えしましょう。
7日目;
イシマル『俺の右手のグーの上から、しっかり握ってごらん。
その上で、いつでも構わないから、ポンとだけ言って
パーの形に開けばいいんだよ。
ね、必ず勝てるだろ?はいどうぞ』
相手は握ったまま、じっとしている。
イシマルは余所見したり、あくびしたり・・
ポン!
相手は叫ぶやパッと手を広げる。
しかし、イシマルもその瞬間にチョキにする。
え~そんなに早く反応出来ないと思うでしょ。
試しに
近くにいる人とやってみて御覧なさい。
誰でも簡単に出来ます。
~~~ ~~~ ~~~
このおとなのジャンケン、連勝に連勝を重ねていたが、
ある人にだけは、勝てなかった。
お笑いのシティーボーイズの<
きたろう>
そのアルバイト先にいたのだが、
ヤツは、卑怯だ。
ずる過ぎる。
あの方の汚いやり方には、人格を疑ってしまう。