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ビワの木の不思議
ビワの木の不思議_e0077899_7233870.jpg
この時期、ビワの実がたわわに、成っている。
一本の木に何百という実が成っている。
数えたワケではないが、恐らく、百の単位だろう。

都会を離れた郊外を歩いていると、
民家の庭からはみ出た、ビワの何百が、満開になっている。
まるで、ブドウが山吹色に染まって、ぶら下がっている様だ。
実は、
その状態が不思議でならない。
最近のそのビワの木のあり方が、変 なのだ。
私は、何百というビワの実が付いた木など、
子供の頃に見た事が無かったのだ。

すみませ~ん、又、40年も前の話しで・・
ビワ・・と云えば、子供の大好物だった。
夏前は、ビワを食べる事が至上の喜びであった。
街中を歩くと、黄色い小さいものに敏感になっていた。
「あっビワだ!」
誰かが叫ぶと、脱兎の如く駆けつけた。
そう!
ビワは買って食べるモノではなく、
木からもいで食べるモノだった。
木からもぐったって、自分ちに、木は無い。
だから、人んちから、道にはみ出た木を狙う。
必然、少しでも黄色くなったビワは、真っ先に
子供の餌食になる。
黄色くなったハシから、食べられていく。
塀や木に登って略奪する、悪ガキもいる。
するとどうなる?
一本のビワの木は、いつまで経っても、
黄色い実はつけていないのだ。
黄色くなりかけた実ばかりがついている。

そうなのだ。
子供のイシマルの認識では、ビワの木は、
黄緑色の実がパラパラと付いている木なのだ。
悪ガキによって、間引きされていたと言ってもいい。
だから昨今の、真黄色に照り輝くたわわなるビワの木を見ると、
『こりゃ、いったいナンね!』
ドンっ!
ご老人でもないのに、憤りの杖を振り下ろすのである。
『今日ビの 悪ガキはなんばしよっとね!』

しかもだ、
そのまま食べられずに、ポトリと地面に落ちてゆく
哀れなビワに、涙してしまう。
両手を合わせてしまう。
40年前に持ち帰って、悪ガキケンジロウの腹に
何十個も詰め込んでやりたくなる。
ビワを食べ過ぎて、下痢をするなどという
最高の贅沢を味合わせてやりたくなる。

ああ、この時期だけ、
ビワの木のツリーハウスに住んでいたい。
ビワの木の不思議_e0077899_725530.jpg
        
by ishimaru_ken | 2007-06-18 07:26 | その他
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