<猫またぎ> という言葉がある。
魚が、ひどく不味くて、猫でさえ跨いで通るという意味だ。
そこで、上の写真を見てほしい。
これは、私が、魚(かさご)の煮付けを食べたアトだ。
もう食べる部分が無い。
頭の部分は、骨ごと、消滅している。
この皿の前を、猫が通りかかる。
うっそ!
食べるトコ無いにゃん!
猫は
余りの仕打ちに、ガックリと肩を落とすのである。
それを称して
<
猫がっくり> と呼んでいる。(わたしが)
女将『あらまあ見事に、
猫がっくりお食べになりましたわネェ』
飲み屋の女将も褒めてくれる。
褒めてくれる内はいいが、
女将『あらっ、残った身で、お吸い物にして、
お出ししようと思ったのに・・』
なんて事になる。
さらにエスカレートする時がある。
北海道のホッケやキンキの
一夜干し焼きが出されると、
最後に残るのは・・皿だけである。
焼き魚なんだから、皿の上には、ツマとして
草のたぐいや、
柑橘系のたぐいが乗っかっていた筈なのだが、
キレイな皿だけが残される。
皿に皿に、エスカレーターする時がある。
やはり北海道に行くと、<
カニの甲羅グラタン>なるモノがある。
ズワイガニの甲羅に、グラタンを詰めて焼いたものだ。
スプーンなどで掬って食べる。
ところが、私の場合は、掬うには掬うのだが、
掬っている途中から、その甲羅をわしづかみにして
バリバリ食っちゃうのである。
バリバリ音がして、実に旨いのである。
店員が片付けにくると、ある筈の甲羅がないので
アラッ?という顔をする。
ちびっと、恥ずかしい。
ひょっとすると、
あの甲羅は、二次使用、三次使用するつもりだったのだろうか?
早い話が、
料理の入れ物まで、食っちゃったのだろうか?
<
店がっくり>である。