ラグビーの審判は特殊である。
どう特殊かを、お教えしましょう。
『君!手を首に掛けるのはやめなさい。危ないだろ。』
こう喋ったのは審判だ。
ラグビーの審判は、<
試合中に教育をする>のだ。
そもそも、イギリスで始まった紳士のスポーツ<ラグビー>
ルールというよりも、不文律の
マナーを
大切にする戦いなのである。
だから、審判も
マナーを大切にする。
『君!今のタックルは良くないよ。』
などと指摘する。
例えば、野球で同じ指摘をしたらどうだろう・
『君、今のカーブは良くないよ』
指摘した途端
「ほっといてくれ!」
両軍入り乱れての乱闘騒ぎになってもおかしくない。
ラグビーの様にボカスカぶつかり殴り合っているスポーツに
マナーを持ち込むのも、いかがなもんかと思うが、
持ち込むだけでなく、
審判は、人間教育を行なっているのである。
『そこの君、オフサイドになるよ。』
『君、頭を上げなさい・・』
『はい、殴っちゃ駄目!』
『君、蹴っただろ今!』
審判に付けたマイクから聞こえてくる
教育音が
面白い。