怖かったあ~!
高速道路を走っていたのだ。
ふと前方が、白く霧が掛かった様に粉が舞い上がったのだ。
粉が何であったかは解らない。
恐らく、某トラックから落ちた、何かの粉だろう。
仮に
メリケン粉だとしよう。
そのメリケン粉の中に、車が突っ込んだのだ!
どうなると思う?
目の前が
真っ白になる。
車のフロントガラスの前、横、後ろが
真っ白になる。
霧どころの話ではない。
全くの目潰しである。
突入した時のスピードは時速80キロである。
秒速で言えば、
20mちょい。
一秒間に20m進んでいるのに、
全く視界が利かないのだ!
さあ、あなただったらどうする?
『思いっきりぃ、ブレーキ踏んじゃう!』
そうですか・・踏みますかぁ・・
いいんですか?踏んでも?
では、現実にイシマルのケースを再現しよう。
真っ白なフロントガラスを目の当たりにした私は
アクセルから足を離した。
自然、スピードがやや落ちていく。
だが、
ブレーキは踏まなかった。
(ここが、大切な岐路となった)
覚悟した。
<
衝突>を!
前にいる車に衝突する事を、覚悟した。
正確に言えば、まだ走り続けている前車にぶつかれば
さほどの衝撃が無いだろうと思った。
ただ一つの恐怖は、前の車が、パニックに陥り、
急ブレーキを踏んでいる場合だ。
前の車が、止まっていない事だけを、未来の保険にしようとした。
その時だ!
ドバっとメリケン粉の煙幕を抜けた。
5秒間の空白を突破したのだ!
ウワアアアア~~~!
真っ赤なテールランプが、目の前にある!
「前の車!思いっきり
ブレーキ踏んでるじゃん!!!」
パパパパパ~~!クラクションを鳴らす。
間に合わな~い!
パパパ~!な、な、なんと!
見事なまでのタイミングで、前の車が加速し、
数十センチの差で、わが車が続いたのだ。
やった~!
そして、今日の話の最大の教訓。
<
ブレーキを踏まなかった>
イシマル偉かった。
ぶつかるのが解っているのに、ブレーキを踏まなかった。
とその時だ!
ボワァ~~~!
真後ろの真っ白い雲海の中から、亡霊の如く、
トラックが現われた!
現われた瞬間にすでに、イシマルの車の真後ろだった。
バックミラーに写る
フロントのエンブレム、<ISUZU>のマークが
異様に馬鹿デカかった。
思わず目をつぶった。
何かが起こる瞬間を待った・・
・・何も起こらない・・
やった!
生き残った!
恐らく3台の車は車間距離、1mほどで、
縦走していたものと思われる。
ああ~怖かった・・