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入り鉄砲に出おんな>
江戸時代の関所における、言葉だ。
江戸に入ってくる鉄砲と、出て行く女には、厳しかったのだ。
逆に言えば、
入ってくる女には、甘かったのである。
それを踏まえて、今日は、スーパーのレジの話だ。
スーパーで買い物をして、レジにゆく。
2000円幾ばくかの買い物をして、一万円札を出すと、
お釣りをくれる。
「大きいほうから」と言って、
お札を数え始める。
「1,2,3~」
数え終わったら、お札をひっくり返して、再度数え始める。
「1,2,3~」
最後に、
念には念を入れて、お札を小さな扇型にして差し出す。
まるで、手品師が、トランプを示し、
「間違いありませんね」と念を押している図に似ている。
これが、レジの一般的なお釣りの渡し方である。
お釣りを間違わない為の、経営者の方々の知恵だったのだ。
千円札の中に、五千円札や一万円札が紛れ込まない為の
苦肉の策だったのだ。
それはそれでいい。
徹底した日本スーパーのやり方に感心している。
であるならば、
コレはいったいどう考えればいいのだろう?
仮に、7654円の買い物をしたとしよう。
財布にお釣りのいらない金額が入っていたとしよう。
代金入れに、全額を置く。
するとレジ係りは、まず、お札をさっと持ち上げ、
ちょいちょいと数え、
レジの端っこに、磁石でコンっと留める。
あとは、小銭をちょいちょいと数え、レシートをくれる。
ここで、私は声を大にしたい。
そちらから、お釣りを出す時は、
大袈裟に
念には念を入れたくせに、
こちらからお金を貰う時は、なんでそんなに
淡白なの?
お金が動く状態は同じでしょ。
出て行こうが、入って来ようが、
間違いの起こる確率は一緒でしょ。
だったら、
客が払ったお金も、手に取り、私の目の前に突きつけ
「1,2,3~」
とやるべきじゃないの?
そして、さらに裏返し、
「1,2,3~」
とやるべきなんじゃないの?
最後に、念には念を入れて、ちょいと扇型にして、
磁石でコンっと留めて欲しい。
これが、
(五千円札も一万円札も、紛れていませんでしたよ)
という、公正な態度なんじゃないかなあ。
うう・・
やっぱり、<
入り女>には甘いのかなあ・・