「元彼(モトカレ)、元彼女(モトカノ)」
と若者が言う。
そんな言い方すんじゃない!ドン!
とおじさんが叱りつける。
声を荒げたくなる。
ところで、
夕方の薄暮の時間帯を何と言うでしょう?
<
たそがれ>時、と云うよね。
この言葉は、
『誰れ?彼は?』 からきている。
薄暗くて、そこにいる人物が判明しずらくて、
『誰なんだよ、彼は?』との疑問符がそのまま、
古き読み方、タレそカレは?となり、
いいとこどりの言葉となったらしい。
では、同じく薄暗い薄暮の時間帯、
夜明けの場合は何と言うでしょう?
<
かはたれ>時、と云うよね。
この言葉も、
『彼は、誰なんだよ?』 との疑問符のいいとこどりだ。
この両方とも、言葉のつけ方としては、安易であるが、
なかなか洒落ていて、興味深い。
単に、ひっくり返しただけやないか・・と言わせない所がいい。
どっちがどっちでも、かまわない所も面白い。
つまり、
「あの人、タソガレてるね」
という会話が、ひょっとすると。
「あの人、カワタレてるね」
だったかもしれないのだ。
最初にナズケた方の、
勝ってな思い付きに過ぎなかったかもしれないのだ。
ふむ、待てよ・・・?
とすると、
その
最初にナヅケた方は、こうは思わなかったのかな?
「
彼女は誰なんだろう?」
「誰なんだろう、
彼女は?」
<たそかの>どき、 <かのたれ>どき、という言葉でも
良かったんじゃないの?
『かっちょわりい~』
若者に叱られそうである。