昨日、
かはたれ時の話をしたね。
そのかはたれ時、早朝、まだ夜も明けきれぬ黎明のひととき。
夏のこのひとときに、鳴く動物がいる。
ニワトリ?
う~ん、ニワトリは一年中鳴くよ。
すずめ?
すずめも、小鳥達も、一年中だなあ。
夏に鳴くそれは、
<
かじか>
かじかと言っても、鹿ではない。
カエルである。
かじかガエルという、手の平に入りそうなちっちゃなカエルが、
山や川の近くに棲んでいる。
鳴き声は、とても美しい。
蝉の鳴き声に似ている。
夏の終わりに鳴く、
ひぐらしに良く似ている。
ひぐらしの鳴き方を、
カナカナカナカナと表現するならば、
かじかは、
セナセナセナセナと表現してみようか。
このかじかは、森林浴で、山に分け入ると必ず鳴いている。
地面にいるにも関らず、上の方から鳴き声が降ってくる。
木の上から、鳴き声が聞こえる様な錯覚をするので、
蝉じゃないかと勘違いしてしまう。
一匹ではなく、団体で鳴いている。
聞きようによっては、
うるさい。
とても美しい音色にも関らず、
うるさい。
やはりそこは、カエルのカエルたらんとする資質だろうか。
田んぼで泣きわめくカエル同様、
うるさい!と言われることに生きがいを感じている様だ。
そのかじかが、
夏の早朝、かはたれ時に、ほんの数分間鳴くのである。
「ボクはもう目覚めましたよ」
と云う主張なのか、
ほんのちょっとだけ鳴く。
昼間あれほど、山の中でうるさい大合唱をしときながら、
かはたれ時には、ほんの一声である。
あれって、
我らが朝起きてきた時の、アクビの様なもんかな・・
八海山の頂上近くの変なカエル