今、台湾料理屋にいると思って下さい。
紹興酒を一本、ビンごと頼んだと思って下さい。
キコっと、キャップをねじって開ける。
グラスに茶色の紹興酒をそそぐ。
ビンをテーブルに置く。
キコキコとキャップをねじって、フタをする。
ここなんです、問題は・・
なぜ、いちいちフタをするのだろう?
グラスが空になれば、また注ぐわけだから、
わざわざ、フタで閉じる必要はない。
開けっ放しの方が、はるかに効率がいい。
注ぐ度に、キコキコ開け、注ぎ終わったら、
又、キコキコ閉じている。
こんな几帳面な動作、私だけかしらん?
と周りを観察してみると、以外や以外!
いるいる、キコキコ症に取り付かれた面々が・・
二人で、飲食中のおじさんが、やはり注ぐ度にキコキコしている。
しかも、キコキコしながら、
その動作に何の疑問も感じていない。
【紹興酒のビンは、必ずキャップを閉じなければならない】
との教育を受けてきたかの様だ。
例えば、これが
とっくりだったとしたら、
そもそもフタなんてないから、そのままだ。
「とっくりより安定が悪いから、倒れた時の用心でしょ」
ほう、そうでしょうか?
ならば、ビンビールはどうだい?
紹興酒のビンより、背が高く、安定悪いよ。
そのデンでいくと、
ビンビールにもフタをしょっちゅうするべきでしょ。
そう云えば、飲み屋で、ウイスキーや焼酎のボトルを頼んだ時、
やはり、いちいちキコキコやってるな。
これはどうやら、
ひねって開ける類のビン、独特の兆候だろうか?
いや、待てよ・・
お酒の一升瓶は、グッと押し込む形式のフタだが、
やはり、いちいち開けたり、閉めたりするな。
となると、問題はどうなる?
単に、呑むスピードの問題だろうか?
ビール瓶は、
あっという間に空になる。
紹興酒は、
じわじわと空になる。
結論;
ゆっくり空になるビンは、いちいちキコキコ開閉する。
うん、実に有意義な熟考だった。