世界の車窓から
今回の列車の旅は、イングランドのロンドンから、
スコットランドのマレイグまで。
列車を乗り継ぎ、乗り継ぎ、
1200キロを走破しようというのだ。
イギリスという国は、高い山が無い。
押しなべて平地だらけである。
かと言って、平らな平野が広がるワケでもない。
うねりのある、
だらだらとした丘の状態が延々と続くのだ。
驚くことに、
その丘という丘がすべて、
牧場になっている。
元々あった原生林をあらかた伐採し、緑の牧場にしている。
そこに、羊や牛や、馬を放牧している。
ほとんどは、
羊と言っていい。
その牧場の広がりを、感覚的に表現すると、
福島県から、愛知県までの山をすべて平らにし、
その土地全部、牧場にしてあると云っていい。
そこに、羊を大量にバラマイテある。
列車で走っていると、一時間走ろうが、二時間走ろうが、
風景は変らない。
一回写真を撮れば、OK。
ただ、見飽きる事はない。
その緑の広がりが余りにも、美しいからだ。
たまに、緑の平らな場所があるな・・と思えば、
そこには、ゴールネットがあり、サッカー場だ。
ゴールポストがあり、ラグビー場だ。
それも、一面あるのではなく、
ラグビー場が、一箇所に4面も、5面もあったりする。
<イシマルのイギリス感>
牧場の数は、人口一人に対し、ひと牧場ある。
羊の数は、人口の2倍いる。
道路にトンネルが無い。
いつも、曇っている。
ところで、
眠れない夜のおまじないとして、
「羊が一匹、羊が二匹・・・」
アノ文句から、どんな絵面を想像しますか?
私は、
羊が一匹、二匹と
目の前を歩いていく姿を想像していた。
それは、一度に大量の羊を見たことが無かったからだ。
しかし、イギリス人の頭の中では、
一度に何百頭の羊が、
すでに見えており、
その端っこから、一匹、二匹と数えているに違いない。
そんな大量の羊を数える予想に疲れ、
きっと、眠たくなるのであろう。
だから、日本では、おまじないは、こうしよう。
「カラスが一匹、カラスが二匹・・」