海外に行くと、その国に
カブレる。
帰って来ると、誰彼かまわず、その国の話しをする。
「そうねえ、イギリスの場合はねえ~」
イギリスに行ったイシマルは、帰って来るなり、
イギリスの話ばかりである。
イギリスに、10年くらい住んでいたかの様な話っぷりである。
例え、今みんなが話している内容が何であれ、話を強引に、
イギリスに持っていく。
ある意味、
正常なカブレ方と云っていい。
外国カブレとしては、
まっとうなカブレ方と云っていい。
逆に、
もし、昨日まで、海外旅行をして来た人物が
その国の話を全くしなかったとしたら、不気味でしょ。
えへん、
では、
カブレイシマルが、イギリスの道路事情を話しましょう。
なんやかやで、1000キロほど、下の道を走ってきた。
1000キロとは、東京から福岡まで、
下の道で行ってきたのだ。
下の道とは、
高速道路に乗らずに、という意味だ。
というより、
高速道路は、ほとんど無い。
言い換えれば、高速道路は必要ない。
道が空いているのだ。
ガラガラという表現は、当たっている。
都市部以外、スイスイ走れる。
何より、信号が無い。
郊外の交差点は、ロータリー式になっており、
行きたい方向へ行くには、そのロータリーにいったん入り、
好きな時に出ればいいのである。
車の絶対量が少ないので、渋滞する事がない。
そう、
渋滞がない のである。
都市部以外では、渋滞がない。
たまに、小さな渋滞っぽいものが起こる。
しかし、もしアレを<渋滞>と呼ぶならば、
イギリス人が
日本のゴールデンウイークの高速道路を見たら、
<
駐車>と呼ぶだろう。
そう、信号の無さは、驚くばかり。
一時間走っても、信号が全く無い事は、ザラだ。
たまに信号を居つけると、
「わあ~信号だあ~」と声を出してしまう。
赤に引っ掛かると、
「わあ~赤だあ~」と意味の無い歓声を挙げてしまう。
『ニッポンには、シンゴー、ナイですかぁ?』
イギリス人の運転手が訊いてくる。
「おっ、渋滞だ!渋滞だ!」
『ニッポン、クルマたくさんナイですかぁ?』