<ゴミ拾い>に熱心な街がある。
大分県大分市だ。
市民は、市内をはじめ、河川敷まで、ゴミを拾って歩いている。
ゴミを拾う事に、生きがいを感じている。
それが高じて、今年、
14万7千人が一度に集い、
ゴミ拾いをやった。
世界的にみても、こんなゴミ拾いは初めてらしく、
ギネスブックに送ったら、登録された。
市民が、それぞれゴミ袋を持ち、
地面を見つめながら、練り歩く。
歩きながら、市民はハタと気付いた。
そもそも、大分市の人口は47万人である。
その内、今ここに、15万人弱集まっている。
どう考えても、
ゴミの数より、人間の数の方が多い。
当然、ゴミに有り付けない輩が出てくる。
空のビニール袋をぶら下げている人が出てくる。
「さぼってるのかしら?」
と疑われる人物が、大勢出てくる。
となると、その視線に耐えられなくなり、
一度自宅に帰って、マイゴミを袋に入れて歩く人が
出てきてもおかしくない。
この15万人ゴミ拾いのおかげで、
普段から、大分市には
ゴミが無い。
<無い>のである。
<少ない>のではない。
試しに、大分駅を降りて、街中を散歩してみた。
タバコの吸殻一本見つからない。
3泊4日大分に居たのだが、
僅かに、数個、ゴミらしき物を目にしただけだ。
郊外に出ても、その状態は変らなかった。
そして、街を歩いていると、突然、
深々と挨拶される事がある。
挨拶としては、最高値の
深々さだ、
腰が90度以上曲がっている。
ドキっとしてしまう。
ところが・・何のことはない・・
その方は、道に落ちているゴミを拾っただけだ。
大分に行ったら、試してみて下さい。
一日居て、10個のゴミを見つけられたら、あなたは偉い。