「こちら本部、38便応答せよ、どうぞ!」
「こちら本部、38便応答せよ、どうぞ!」
映画のワンシーンのセリフである。
無線で、呼びかけている。
38便の行方が、解らなくなったのだ。
緊急事態である。
映画に限らず、再現ドキュメンタリー番組でも、
この状況は、頻繁に出現する。
そこで、おおいに気になるのが、冒頭のセリフだ。
「応答せよ!」
この言葉を連呼するシーンをよく見る。
本部としては、
応答しない・・のだから、
連絡が取れない・・んだと
素直に判断しているのだろうが、本当にそれでいいのだろうか?
よし、38便の立場で考えてみよう。
38便の機長は、苛立っている。
機体のトラブルにより、
無線の調子がおかしいのは理解している。
こちらから、話掛ける事が出来ないのだ。
しかし、相手(本部)の声は時折聞こえるのである。
つまり、
返事が出来ないという故障に過ぎない。
機長は苛立っている。
何か指示をして欲しい。
どこどこに向かえ・・
今、救難ジェットを向かわせた・・
何々の方角に嵐がある・・
客の誰々が、パイロットである。
教えて貰える情報は多々あると思われる。
例え、返事がなくても、
聞こえているかもしれないのだ。
この<かも>が、大切な部分である。
かも に全身全霊を賭けて、
本部から発する無線は、
我々が知っている
アレにならなければならないのだ。
<公共ラジオ放送>
相手が聞いていると信じて、セリフを流し続ける。
「38便、○○に向かえ・・・」
勿論、38便の声が届いていない事実も、伝え続ける。
これが、緊急無線に携わる者の、常識だと思うのだが、
映画でもドキュメントでも、
「応答せよ!」の繰り返しばかりだ。
ああ~イライラする。
もう、「応答せよ!」はさんざん聞いたよおぉ~
こっちは聞こえてんだよおぉ~