たらの芽天麩羅
山形県の友人がいる。
時折、山形醤油をぶら下げて、現れる。
そんな彼が、この春の季節にぶら下げて来るモノが嬉しい。
<山菜>
山に分け入って、山菜を摘んでくるのである。
今年の山菜は、
<たらの芽>
<緑のこごみ>
<赤いこごみ>
たらの芽がデカイ。
スーパーで売っている10センチ前後のものと比べると、
驚くばかりの、大きさだ。20センチを優に超え、
30センチ近いものまである。
その友人の言によれば、
40センチオーバーまで、あったそうである。
そして、今回、彼が現れた場所は、富士五湖の畔の
キャンプ場だった。手際よく、
さっと炭を熾すや、山菜の天麩羅にしてくれたのである。
このたらの芽が抜群に美味い。
通常のたらの芽だと、二口で食べられるが、
こいつは10回ほどに分けて食べなければならない。
デンプンの旨味が、鼻腔の奥へと、香り出る。
まるで、
サツマイモでも頬張っている様な錯覚を覚える。
「たらの芽は、芋科だったのか!」
思わず、勘違いしそうになる。
次なる天麩羅は、
こごみだ。
こごみにも、緑のものと、赤いものがある事を知った。
普段、我々が食べているのは、緑のヤツだ。
しかし、茎が
赤いこごみは、更に自然の味がした。
「こんなにたくさん採って来るには、時間が掛ったでしょ」
『いんや、
10分もありゃええがね』
ことなげに仰る山形県人。
そうこうするうち、
湖の方に、釣竿を担いで、向かったと思ったら、
大きな鱒(ます)をぶら下げて、戻ってきた。
塩を振りかけて、喰らい付くと、
実に、ホクホクとした旨味のある鱒であった。
そういえば前回現れた時は、海で釣った魚を、どっこいしょと、
持ってきてくれたな。
山形県人は、たくましいな。
しょっちゅう来てくれないかな。
山形牛とか、
10分もあって、捕れないのかな・・