~昨日の続き~
イシマル絶体絶命!
ニューヨークに遊びに行ったはいいものの、
喜び勇んで、ハーレム街に地下鉄で向かったイシマル、
フラフラを歩き出した街中で、
周りをグルリと、真っ黒いアンちゃん達に囲まれてしまった。
アンちゃん達、ガタイがデカイ。
上にもデカイが、横にもでかい。
「ヤクルト飲んだんですか?」
と質問したくなる。
じりじりと輪が縮まってゆく。
ション便ちびりそうな設定になってきた。
ほいな!
右手に下げていた袋を開けた。
中から出てきたのは、
<タップシューズ>
履いていた運動靴を脱ぎ、
片足づつ、タップシューズに押し込めていく。
アンちゃん達の動きが止まる。
真っ白い目ン玉が、タップシューズにズームされる。
アンちゃん達との距離は5mとない。
タップシューズが踏みしめる地面は、コンクリートだ。
チャカチャカ チャカチャカ カカカ、タタタ~
踏み鳴らすタップの響きに、アンちゃん達の目の色が変った。
カカカ、ダンダンダン、チャチャ~
途端に歓声だ。
アンちゃん達の巨体からは想像出来ないほどの、高音の嬌声だ。
自分の身体を叩きだすアンちゃんがいる。
パタパタ、パチパチ~
リズムをとっている。
足を踏み鳴らすアンちゃんがいる。
バタバタ、ドンドン~
私たち日本人は、外国人から見ると、男は皆、
空手が使え、
女性は皆、
日本舞踊が踊れると思われている、
ところがどっこい、そんなヤツ、ほとんど居やしない。
それと同じ現象だ。
我々が、ニューヨークに行くと、ブラックのアンちゃん達は皆、
タップが出来て、ブレークダンス(ヒップホップ)が踊れて、
ラップを口づさんでいると、思っている。
ところが、そんなヤツほとんど居やしない。
カタカタ、チチチ、テケトンテケトン~
恐らく、タップダンスを始めて目の前で見たアンちゃん達。
ワイワイと囃したてる。
体力の限り、30分も踊っていただろうか・・・
一人のアンちゃんが、近づいて来たと思いきや、
首根っこを
ムンズと掴まれた。
顔の近くまで鼻面を寄せ
「来い!」
ヒエ~~~~!
イシマル、ジェッタイジェツメイ!
助けて~