伊豆の踊り子で有名な、伊豆半島、天城町に、
それはそれは、大きな杉の大木がある。
余りにも大きいので、昔からその地ではこう呼ばれている。
<太郎杉>
樹齢は600年くらいらしい。
らしいと云うのは、はっきりした事がわからないからだ。
神社の御神木は、代々の言い伝えで、その木の年齢がわかる。
ところが,この杉は、自然の林の中に、悄然と立っているのだ。
実は、杉の大木というのは、珍しいのである。
人間が手を入れない自然状態では、杉は大木に成り切れない。
一本だけポツンと高くなると、大概が、
雷に打たれる。
下枝を枝打ちしていないと、
雪の重みで折れてしまう。
ゆえに、この太郎杉の大きさの価値が計り知れようというもんだ。
しかも、これほど真っ直ぐに直立している大杉も珍しい。
大概、どこかイビツに曲がったり、くねったりしている。
大木になればなるほど、傷つき方が著しい。
その代表が屋久杉だろう。
2000年以上経った縄文杉の古木さ加減は、
美術館の彫刻を思わせる。
そうなると、この太郎杉の将来はどうなるのだろう?
次第に、グニャリと変形していくのだろうか?
それとも、天に見限られ、イカズチを落とされるのだろうか?
大きさを表現するのに、
周りを
8人の大人と3人の子供で手を繋いでみた。
っという事は、<次郎杉> ってのもあるんですか?
っと地元の理科の堀江先生にお尋ねしたら、
『あります』 との返事。
この深山の奥深くにひっそり佇んでいるらしい。
っという事は、
三郎杉ってのもあるんですか!
先生『・・・・・・・』
必死で手を繋いでいる