又々、刀削麺(とうしょうめん)である。
「え~又ですかあ~」 と言わずに、聴いて下さい。
《刀削麺を、なんとか自分で造れないものか!》
技術がいる麺造りであるのは、理解できる。
しかし、やってやれない麺ではないだろう・・
まずは、麺の
生地造りだ。
早速、刀削麺のお店に出向いた。
この麺の店のいいところは、必ず削る行為を見せてくれる所だ。
かぶりつきに座り込む。
シュッシュッシュッ!
軽快に固まりが削られてゆく。
(アレは硬いのだろうか?柔らかいのだろうか?)
「すみません・・その固まりに触ったりしたら、怒られますよね」
『いですよ』
「えっ、いんですか」
ツンツン・・
ほお、硬くないんだ。
うどんを伸ばす前の固まりと、さほど変わらない。
餃子の皮より、やや硬い程度だ。
という事は、メリケン粉の中力粉だな。
よし、次は、
削る刀だ。
「すみません、ソレって、写真撮ったら怒られますよね」
『いですよ』
パシャッ
ふ~む、端っこが曲がっているな。
アレは、どこに行ったら手に入るのだろうか?
浅草は、かっぱ橋の道具屋には、売ってないだろうな。
横浜の中華街には、売っているだろうか?
それとも、中国から持ち込んでいるのだろうか?
あるいは、自分でひん曲げて拵えるのだろうか?
よし、麺の固まりと、刀が手に入ったとしよう。
問題は削り方だ。
「すいませ~ん。削ってるとこビデオ撮ったら・・」
『怒りませんです』
よしよし、これから、特訓をしなければ・・
まずは、ダイコンで練習をしてみよう。
ん?
ダイコンは硬いな。
冬瓜(とうがん)を売ってないかな。
削ってカンピョウを作るのだから、似ているしな。
よお~し、やるぞぉ~!
私の近しい友人達は、近々、覚悟して頂かなくてはならない。
私からの電話に出ないなどと云う、
大人気ない行為をしてはならない。
産みの苦しみに立ち会える僥倖を、楽しまなければならない。
(立会いたくないなどと、言ってはならないってば・・)