ん・・目が覚めた・・午前2時だ。
なぜだろう・・?
そうだ!カツオ釣りに行くんだ!
初めてのカツオ釣りである。
これまで、釣りに行って、偶然カツオが釣れた事があったが、
カツオそのものをターゲットにするのは初めてだ。
5時に起きればいいのに、3時間も前に目が覚めてしまった。
異常に興奮している。
さて、その釣果やいかに・・行ってきや~す。
~~~ ~~~ ~~~
ただいま~、8時間半、海の上にいた。ぜいぜい・・
異様な興奮状態である。
16人の釣り人を乗せた釣り船は、気温30度を越える相模湾を
怒涛のごとく走る。
船長は、魚探(ぎょたん=魚群探知機)をチラチラ見ながら、
カツオの群れを探している。
海上には、おびただしいカツオ鳥の群れだ。
彼らも、鳥探を駆使して、小魚の群れを探している。
30分も走った頃、エンジン音が静かになった。
鳥の鳴き声が激しくなった。
「はいどうぞ」
船長の声がスピーカーから流れる。
突然、、船上は戦場と化す。
釣り人は一斉に竿から、テグスを繰り出す。
水深20mにカツオがいるぞ・・と船長が怒鳴る。
テグスのメモリで、20mに達した時だった。
ガツーン!
いきなり、竿先が水中に引き込まれた。
(ええっ、もうかい!)
まだ、釣りを始めて10秒しか経っていないのに、
もう掛っちゃった。
うわあ~もの凄く重い!
リールが巻けない。
「巻け!巻け!」
船長の掛け声がかかる。
余り走り回られると、
周りの人達のテグスラインに絡まってしまうので、
強引にでも巻いてしまうのである。
周りを見ると、私同様、腰を折り曲げ、懸命に格闘している。
「どおりゃ~!」
船長がタモで、すくってくれた。
体長55cm
体重3キロ
マルマルマルと太った美味しそうなカツオだ。
おお、よく見ると、カツオは生きている時、
尻尾近くの側線が
紫色をしているじゃあないか!
もはや、アドレナリンぶちまけ状態である。
まだ、釣り始めて1分しか経っていない。
いったい今日はどうなってしまうんだろう?
私は、<杞憂>という言葉を忘れていた。
「カツオは、足、速いからね」
船長の声。
あっと云う間に、カツオは船の下からいなくなった。
走り去ったのである。
彼らは、走りながら、食事を摂るのだ。
マラソン中に、給水する姿を想像して頂くと、ほぼ近い。
その選手を、何とか捕まえようとしているのだから、
かなりの苦労を要する。
あらかじめ、選手の進行方向を予測し、その前に回り込み
待ち伏せをしなければならない。
その方法がいかに、面白いものか・・明日語りたい。
紫色の側線