「集中豪雨のお知らせです。栃木県○○地域に
一時間に110ミリの雨が降っています」
ラジオのアナウンサーが喋っている。
○○って、ココじゃ~ん。
今、そこ走ってるじゃ~ん。
確かにさっきから、ワイパーを最速で振っても、
殆んど効果がない状態が続いていた。
テレビやラジオで聞く注意報の場合、
一時間に50ミリの雨というのが、<非常に強い雨>である。
なのに、今、
110ミリなどという非常識な豪雨だ。
倍以上である。
あっという間に、道路がチャプチャプになってきた。
っと思うまもなく、バンパーが水に突っ込み始めた。
左側の斜線を走っている車は深い所に、浸かってしまい、
ついに止まってしまっている。
こういう場合、どうしたらいいのだろう?
端にも寄れぬ。
センターラインも水没。
悪い事に、夜が始まったばかりである。
対向車のライトは水上を進むボートのサーチライトだ。
ノロノロと前身していると、
前方が下り坂になっているのが感じとれた。
やばいぞ・・
普段、車を走らせていると、鉄道などをクグル道路がある。
そこには、カンバンに文字が書いてある。
《50ミリ以上の降雨時には、通行止め》
今、この車の隊列はそこに突き進んでいるのではないか?
現に、川のような水はザーザーと流れ込んでいるではないか!
とっさに、ハンドルを左に切る。
横道に入る。
難を逃れた。
しかし、110ミリの雨とは、生易いものではなかった。
交差点では、スポーツ系の車が、車高の低さの為か、
ついに冠水してしまっている。
中で、携帯をいじっていたアンちゃんの顔が暗かった。
110ミリの雨を表現します。
車運転中に、対向車線から、バシャっ!と
水溜りの水をぶっ掛けられる事があるでしょう。
一瞬何も見えなくなる。
あの状態がずっと続くと思って下さい。
110(
ひゃくとう)ミリの雨をナメてはいけない。
っと、おまわりさんも言っているような気がする。
百獣の王ライオンも、吠えていたような気もする。