ドドドドドォ~~~
滝の音が聞こえる。
もう間もなく現れる筈だ、そのお風呂が・・・
車を置いて、歩き出したのは、泥湯温泉(どろゆ)だ。
秋田県の山深くにポツンと、湯を噴出している温泉場だ。
その傍にある川原毛地獄という、危ない地帯を過ぎ、
谷をどんどん降りてゆくと、その音は聞こえ始める。
ドドドドドォ~
そして、その滝は、突然目の前に現れる。
「ほお~・・・!」
思わず、お決まりの感嘆詞が口をつく。
やがて、なぜか私は、着てきた服を脱ぎ始める。
靴も靴下も脱ぎ始める。
本来ならスッポンポンになりたい気持ちを抑え、
滝に向かって歩き出す。
そして、・・ザブ~ン!
そう、なにを隠そう。
この滝は・・
滝そのものが温泉なのだ!
暖かい湯水が滝の上部から、降ってくるのだ!
滝そのものは、10m以上はあろう立派な成りをしている。
その日は、家族連れで賑わっていたが、
普段は閑散とした個人風呂になるそうだ。
いってみれば、これこそ、
本物の露天風呂である。
打たせの湯である。
もいっかい言っとくが、
お湯がその辺に湧いていて、滝の冷水で
ウメているのではない。
滝そのものが、お湯なのだ。
轟音を立てて流れ落ちる湯量は、半端ではない。
我が家の湯船であれば、0,2秒で一杯になるだろう。
そんじょそこらのスパの湯船3つ分くらい、
一分以内で貯めてみせる力量がありそうだ。
(なんで、0,2秒と解ったかって?
いや、そのくらいなんだよぉ)
という事は、滝の
上流も温泉が流れている事になるな。
岩の間に浸かれば充分立派な温泉だ。
じゃあ、
下流はどうだろう?
はい、勿論、温泉の川である。
どこに、浸かろうが自由である。
もし、この滝を、上空からヘリで眺めたとすると、
うねうねと流れる小川という名の、長い温泉場を
見る事になるだろう。
こんな温泉、日本に他にあるだろうか?
あまりの気持ち良さに、滝修行者の真似事をしてしまった。
ただし、熱さのあまり、頭がボー・・
ついでに教えます。
この温泉の滝 <川原毛(かわらげ)温泉>・・
ただです。