福島県、猪苗代湖で、ウインドサーフィンのレースが催された。
広い湖を横断する往復レースだ。
あまりにも、広いので、ターンするマークが見えない。
っと、レースの様子をお話ししようと思ったのだが、
残念ながら、風が吹かなかった。
ファンレース(お遊びレース)のみで終わってしまった。
ならば、その猪苗代湖が
どれほどの大きさか確かめたくなった。
どこか高い所はないか?
あった。
簡単に見つかった。
<会津磐梯山>
♪~あいづばんだいさんは~宝ぁのぉや~ぁま~よ~♪
標高1819m
すぐに、イシマル探検隊が結成され、登山口に向かう。
今回は新隊員、ウインドサーファーの
ナカヒラ君が参加した。
なんでも、ナカヒラ君、登山は初めてという事で、
何を持っていくのかさえ、わからない。
リュックを貸してあげ、着替えや、水を詰めてあげた。
いざ、出発。
樺の林の中をたらたら歩いてゆく。15分ほどして、
緩やかな登りが、
やや下りになった頃、その標識は現れた。
<磐梯山頂>
その標識を目にした途端、ナカヒラ君が声を挙げた。
「へ~もう
頂上に着いたア~!」
『・・・・・』
あのね、ナカヒラ君。
まだ、15分しか歩いてないんだよ。
山は、そんなに低くないの。
会津で、磐梯山と歌われているんだから、かなり立派な山なの。
猪苗代湖から眺めたら、聳え立っていたでしょ。
それに頂上に、こんなに高い木が生い茂っている筈ないでしょ。
何より、さっき、すこし
下りになったでしょ。
下った所が頂上って、おかしくない?
この標識は見てのとおり、右方向が磐梯山頂上だよ・・と
方向を指し示しているのである。
矢印なのである。
まあ、ナカヒラ君としては、初めて目にしたのだから、
矢印だと理解出来なかったのも、仕方ないが、
頂上ダア・・と万歳するのも、いかがなものか・・と
てな、歩き出しから、お馬鹿な探検隊は、怒涛の登りをみせ、
2時間後、
1819mの本物の頂上に立ったのであった。
そこから、眺めた猪苗代湖は圧巻である。
360度、大パノラマ!
っとその時、
ナカヒラ君が携帯電話を取り出し、誰かに掛けている。
「今、頂上!湖の畔に出て、こっち見て」
湖の湖畔にいる、ウインドサーファー達に電話をしているのだ。
頂上から、そこまで、直線距離で、5キロ以上はあろう。
「皆で、動いてみて。お~見える見える。
頂上の俺たち見えるかな?今、
手を振ってるぞ~」
ってねえ、見えないと思うよ。
こっちから浜を見ても、何か黒いものが、
ごそごそしているのが見えるだけなのだから・・
君の振った手なんか、見えないと思うよ・・
見えないと・・思うよ・・
ねえ、いつまで手ぇ振ってんの・・?
もう、降りるよ・・ナカヒラ君!