私は石の橋を渡っている。少し角度を変えた写真をみましょう。↓
↑ 欄干のない石橋である。遠くから撮影してみましょう。↓
↑ もうちょっと離れてみましょう。↓
あの石橋は、山の上に架かっている。
大分県は国東半島、その山の尾根にその石橋はある。
何の為か?
行者の修行道が、そこにあるのである。
古来より、この国東(くにさき)半島では、
白装束に身を包んだ行者が、行(修行)の為、
何日もかけて山野を歩いた。
特に岩峰が激しく切り立っている場所を選び、
登攀を繰り返した。
いわゆる崖を伝わってゆくのである。
さらに、「そんなものでは、精神修行の
へにもならん!」
っと言い出した方がいたらしく、
山の上に、
怖~い橋を架けたのである。
巾は1mちょっと、長さは3mほど。
但し、両側は
70~80mほどの断崖である。
落ちたらどうなるか・・想像したくない。
したくないが、その想像ばかりが頭の中を占め、
踏み出そうという足をビビらせてしまう。
この行者の道を体験している寺の住職の話では、
この100年間に、数人の者が、この辺りで転げ落ちたそうだ。
そう云えば、下の村から、この石橋の写真を撮っていた時・・
「やめたがええ」
『えっ?』
「あそこ登るのは、やめたがええ」
『危ないんですか?』
「・・・・・」
『え~?なんか言って下さいよお~』
首を振り振り、歩き去った翁の背中を思い出す。
ええい、ままよ!
一歩踏み出す。
へへ~んだ、たいした事ないじゃ~ん。
ト・ト・ト・ト
4歩で対岸に渡ってしまった。
へへ~んだ・・と強がってみたものの、
背中にぐっしょり汗をかいている。
そして、その時気付いたのだ。
帰る為には、又この道を帰らなければならない。
すなわち、再び、この石橋を渡らなければならない。
しまった・・
強がるのは、もう一回渡り終えてからにすれば良かった。
え~この場所、誰でも入れます。
許可は要りません。
但し、私から聞いたとは、言わないで下さいね。
責任持てません。