《夏暮れて 世果てぬカナと 啼けよヒグラシ》
けんじろう
秋風に誘われて、俳句を詠んでみた。
みたワリには、随分
字余りである。
五 七 七 になっているのだ。
そういう時には、節操なく、すぐに作り変える。
《風涼み まだ見ぬ紅葉に 思い馳せ
世果てぬカナと 啼けよヒグラシ》
けんじろう
ジャ~ン!
俳句から短歌に変えちゃった。
節操のなさに目くじら立ててはいけない。
それでも、数えてみたら、
五
八 五 七 七 である。
字余りは直っていない。
どうも、小学校の頃から、整列をしても、
列からはみ出してしまう悪い子であった。
別に、先生に反発しているワケでもないのに、
列の中でじっとしていられない、落ち着きのない子であった。
「廊下に立ってなさい!」
よく叱られた。
廊下に立たされた。
『はい!』
嬉々とした返事をはりあげ、席を立つ。
先生の許しが出るまで、長い廊下にひとり
立っているのである。
そう私的には、立っているのである。
立たされているのではない。
授業中に、廊下に立っているというイベントが楽しかった。
異次元に足を踏み込んだ感覚があった。
隣のクラスから聞こえてくる授業の声や、
屋外の景色が面白かった。
「いしまる!入ってよろしい!」
そう言われるのが、つまらなかった。
何だ、もうイベントは終わりなのか・・
<立たされる>
現在の学校教育では、おそらく体罰にあたる為、
廊下に立たす事は、駄目なのだろうが、
私としては、楽しみを奪われた・・と考えてしまう。
字余りな子に愛の手を・・・