「アレっ、ワンタンがない?」
ここは北京にあるホテルのレストランだ。
朝のモーニングバイキング会場である。
中華をはじめとする様々な料理が並んでいる。
よりどりみどりで、よりどってゆく。
さあて、<事件>は席に座り、食べている最中に起きた。
(ふむ、もう少し、ソーセージを食べよう)
皿を持って、バイキングテーブルに歩いていく。
ソーセージを2本取り、席に戻る。
(ん・・?食べかけのワンタンスープがない!)
え~片付けられちゃったのぉ~うっそぉ~
ちょっと席を離れた隙に、ウェイトレスに片付けられたのである。
んんもう、しょうがない。
ワンタンスープの場所まで出かけ、
半分ほど器に入れた
ワンタンを取ってくる。
(アレっ?今取ってきたばかりの
ソーセージがない!)
え~~?片付けられちゃったのぉ~?
うっそぉ~!
席を離れた時間なんて、30秒くらいでしょ。
このフロアを見渡しても、客なんて5人位しかいないじゃん。
ボクが食べている事くらい解るだろう!
ホントに、ウソみたいな事が起こるのだ・・
よし、ここで腹を立てたら日本人として、恥ずかしい。
シズシズをおとなしく、再び
ソーセージを取りに行く。
ちょっと落胆したので、今度は一本だけにした。
席に戻る・・
(え~~~え~~~!
ワンタンがな~~い!)
たった今置いたばかりのワンタンがな~い!
そりゃ、確かに、半分しか入ってなかったとは云え、
ボクという人間が、席に座ったり立ったりしているでしょ。
ねえねえウェイトレスさん、
ボクを見てくんない?
ボクという人間が、食べる気満タンで、動き回ってるでしょ。
ここは、そのウェイトレスを追いかけるしかない。
イシマル「ちょっと待って~それまだ食べかけだろぉ~」
ウェ 『・・・・』
そうだった、言葉通じないのね・・
と、思ったその時、いい事に、通訳さんが姿を現した。
通訳さんに、事の顛末を説明する。
ウェイトレスに訳して貰う。
イシマル「食べかけてる器を片付けないでちょうだい」
ウェ 『(中国語)ども、すみません』
(ふんとにもう、頼むよね~)
っとその時・・
「えええ~!アレ見て、ボクのテーブルから、
ソーセージが片付けられているぅ~!」
もう一人、ウェイトレスがいたのだった。