<すみつけ祭り>
大分県の県南の、静かな小さな村に伝わる奇祭である。
1000年以上の歴史を誇る祭りにも拘わらず、
文献が残っていない為に、文化的な価値を認めて貰えない。
しかし、祭りは親から子供へと、口伝で伝わってきた。
2年に一度、
自分たちさえ楽しければいい・・と云う祭り独特のあり方を
伝承してきた奇祭である。
どんな祭りかって?
<すみつけ>とは、墨付けである。
墨とは、習字に使うアノ墨である。
神社に集まった人々が、各々、大根の切れ端を持ち、
その断面に墨汁を染み込ませ、
誰彼なく、
顔に墨を擦り付けてゆくのである。
その現場にいる人は、誰に墨を擦り付けても構わないのである。
例外は全くないのである。
おぎゃーおぎゃーの赤ん坊だって構わない。
明日をも知れぬオジイチャンでも構わない。
主催者側の、神社の神主さんでさえ、墨を塗りたくられる。
真っ黒になる。
文句を言えないのである。
取材に来たテレビカメラマンもその被害に合う。
取材中などお構いなしだ。
ブッチャ~、真っ黒だ。
喧嘩が起こらないように、
お巡りさんが立っている。
そのお巡りさんも例外ではない。
追い掛け回されて、顔面、黒々になる。
ピーポーピーポー
怪我人が出たとしよう、救急車が来る。
恐らく、救急隊員も黒々と塗られる羽目になるのだろうな。
<
例外なし>とはっきり、この祭りではウタッテいる。
さあ、
私だけは例外だと、自負している方、
チャレンジしてみませんか・・本当に
例外のない世界へ。
すみつけ祭りが、あなたを待っています。