問題は、運動靴だ。
運動靴のヒモの下にある一枚のベロの様な物・・
アレが嫌いだ。
ヒモで結ぶ運動靴には必ず付いているアノ物体は、
靴を履こうとする時、ズルリと爪先方向にズレる。
ちょこっとだけズレる。
アノ物体だけを観察すると、シワが寄った状態になる。
気持ち悪い。
どれ位、気持ち悪いかと云うと、
《もの凄く、気持ち悪い》
靴下が
ズレてくると、余りの気持ち悪さに、
マラソン中でも、ズリ上げると言うランナーがいるらしい。
パンツが
ズレてくると、
舞台の公演中でもズリ上げるという役者もいるらしい。
靴下のズレ
パンツのズレ
そして、
運動靴のヒモの下のアノ物体のズレ
この三つが、《世界三大ズレたらイヤ》と言われている
(らしい)。
その中でも、とりわけ、私は、
運動靴のアレがイヤだ。
アレがズレたまま、走り出した時の不快感は底知れない。
ズレない様にと、真ん中に
ヒモを通す穴が開いているが、
あの穴は、その物体が下に落ちないように支えているだけで、
ズレは防止してくれない。
足が、靴の中に突っ込まれる摩擦力に、
あの物体は負けているのだ。
負けたあげく、
シワを作るという妥協をしているのだ。
その妥協が許せない。
運動靴を履く度に、
アレをグイっと指先で引っ張ってやらねばならない。
もし万一、引っ張るのを忘れて走り出した時の気持ち悪さは、
今思い出しただけでも、ゾッとする。
頭の中が、その気持ち悪さで埋め尽くされてしまう。
もし、私が運動靴の設計プロジェクトに参入を許されたならば、
何はさておき、あのシワの問題から、取り組むであろう。
<シワの入らないアレを作ろう>
壁にスローガンを貼る筈である。
発明をした部下に、金一封を用意する筈である。
それにしても、さっきから、その物体を
<アレ>とか<アノ物体>としか言えないウジウジ感は、
まさにアレがズレている気持ち悪さ、そのものではないか!