<モツ鍋>
私が愛してやまない食べ物である。
夕方、街を歩いていて、
モツ鍋のカンバンを掲げている店に遭遇すると、
一も二もなく、足を向けてしまう。
そのカンバンの頭に<元祖>が付くと弱い。
<大阪>も弱い。さらに弱いのは<博多>だ。
その
博多に先日、二日間、何気なくいた。
つまり二日間も、<元祖博多モツ鍋>のカンバンを見続けた。
見続けて、店に入らない勇気はない。
時間は自由にある。
「よお~し、今夜はモツ鍋に突入だあ~!」
日が暮れ、6時半を過ぎて、博多の繁華街に繰り出す。
念のため、財布は膨らませてある。
街のネオンも膨らみきって、はち切れんばかりだ。
探すまでもなく、
モツの文字に街は溢れている。
モツ、モツ、モツ・・
「ちわ~」
『ああ、すみませ~ん、予約で一杯ですわぁ~』
「ちわ~」
『予約でねぇ~』
「一杯ですか?」
『一杯です!』
そうなのだ・・夕方、博多のモツ鍋屋は、
どこもここも、
予約で一杯なのだ。
食べたくても食べられないのだ。
私たった一人なんですけンども・・と泣きついても、
ラチがあかない。
ウッソっ!・・である。
で・・どうしたでしょう・・か?
私・・人生で初めて・・2時間待ちました。
2時間
その辺で、時間をつぶし、戻って来たのです。
私的には画期的な事態である。
それほど、私を画期的事態に陥らせた、
モツ鍋の魅力とはいかに?
ふむ、一言で言いましょ。
《モツ鍋を創作した人は、羽が生えてるね》