「おじいちゃん、大福食べたでしょ」
『うん、
ワシが食ったん
じゃ』
この一見何気ない会話が、とんでもなく変だと、気付いた。
<ワシ>って、何だろう?
常日頃、御爺さんが、
ワシと喋るのを聞いた事がない。
時代劇では、常にワシと喋っている。
ただし、ソレは台詞である。
「
ワシの娘を返せ!」
お爺さん俳優として一世を風靡した
加藤嘉(かとうよし)さんのセリフだ。
あくまで、時代劇の中の話だ。
小説や、映画テレビの台本を開くと、
お爺さんのセリフには、ワシが頻繁に出てくる。
さて、ここで、あなたに訊きたい。
お爺ちゃんが、
ワシと言っているのを聞いた事がありますか?
ある!と応えたあなたは、楽しい街に過ごしている。
では、
あると応えたあなたに、更に訊きたい!
冒頭のおじいちゃんのセリフだ。
『ワシが、食ったん
じゃ』
<じゃ>
語尾が・・
じゃ・・
じゃ、と語尾を使用するおじいちゃんを知ってる?
方言でもない限り、
じゃは、あまり聞かない。
むしろ、
じゃを聞いてみたいとさえ思う。
そこで、再び訊きたい。
お爺ちゃんが、~じゃ・・
と言っているのを聞いた事がありますか?
ある!と応えたあなたは、正常な街に住んでいる。
つい思い出してしまった・・あの石川啄木の詩を・・
《ワシはじゃな ジジイ懐かし停車場の そを聞きに行く》
ワシも
じゃも使う おさむちゃん