ホテルのベッドが軟らかくて、悩む事がある。
昨今のホテルのベッドは、随分硬くなった。
ところが、以前は、
ベッドは軟らかいモノだと、決めてかかっていたフシがある。
ホテルの部屋に入り、真っ先にベッドにダイブする。
すると、ポ~ンと体が跳ね上がるベッドがそこにある。
これは、
トランポリンかと苦言が出そうになる。
寝ようとすると、腰の辺りが沈み込む。
ベッド型をした
ハンモックなんじゃないかと嫌味が出てしまう。
こんなベッドで毎日寝ていたら、きっと
腰を壊してしまう。
何とかしなければ・・
どうする?
街に出る。
電気屋を探し、
ダンボールの空き箱を譲って貰う。
そいつをえっさえっさとホテルに持ち込み、(許可を得て)
シーツの下に差し込む。
ふむ、これで、随分硬くなった。
横になってみると、ダンボールの角っこが背中にあたり、
ちょいとゴソゴソするが、冷んやりしていて気持ちいい。
ダンボールの香りが仄かに漂い、
お外の、
道路で寝ている感覚になる。
道路で寝た経験はないのだが、上にもダンボールを被せれば、
もっと、その感覚に近くなるだろう。
では、ダンボールを探す手間ヒマがない場合はどうする?
床で寝る。
シーツを剥がし、床に伸べる。
その上にそのまま寝転ぶ。
床にはジュータンを貼ってあるとは云え、かなり硬い。
ダンボールさえ囲えずに、公園で寝ている感覚になる。
毛布だけを頼りに、蹲る。
その必要がないのに、
「ここは、公園ではないぞ」
と言い聞かす。
この硬さは、ある程度の安眠をもたらす。
トランポリンベッドより数倍快適だ。
しかし、
只でさえ狭いホテルの、大部分を占めているベッドスペースを
全く使わないので、私のホテル生活は
通路生活と言っていい。
占有面積の7割しか使っていない。
いつかホテル側に、割引交渉をしてみようかとさえ思う。
いや、思っていた。
そんなホテル側が、ようやく最近、反省をして頂き、
固めのベッドが大勢を占め始めた。
良かった良かった・・
ちなみに、自宅のベッドは、畳ベッドである。