サバを美味しいと感じるDNAを、私達はいつ獲得したのだろう?
サバを美味しいと感じるのは、
後天的な感覚とは思えない。
太古の昔に、何か決定的な事件が人類に起こったと思われる。
そこで、イシマル博士はこう考えた。
《美味いなと、食べられる食材は、食べる人に媚びている》
つまりだね、
サバは食べられる私に、
媚びているのだな。
食べて貰う事で、サバ人生を全う出来る喜びに気付いたのだな。
サバ単体で気付いたのではない。
サバ達・・
全サバ連が、気付いたのだ。
サバ「フグたちがよ、毒で食われねえ様に頑張ってるだろ。
俺たちはよ、積極的に美味さを追求しようぜ!」
従って、食べて貰う為には、美味しそうに見せる必要がある。
それなりの身体の模様が、必要条件になる。
彼らの背中の
縞々模様は、
長い間の切磋琢磨のデザインの結晶だったのだ。
おなかの銀色は、我々にアピールする媚態だったのだ。
我々人類はやっと気付いたのだ。
スーパーで買うサバの干物の値段が、
徐々に高くなっているのは、
全サバ連の方達が、ストライキをしているワケでもなく、
我々の舌が、サバのうま味を忘れたワケでもなく、
単に、サバ達が、
媚びるのを止めたのかもしれない。
そろそろ、食べられるのがイヤになったのかもしれない。
だからだ・・
今こそ人類は、サバ達の為に、感謝際を催さなくてはならない。
<
サバ感謝祭>
語呂がいいから、
<3月8日>にしよう。
この日は、一日、おかずはすべてサバにしよう。
サバをおかずにして、サバご飯を食べよう。
食べ残したサバの骨を、神社に奉納しよう。
いつの日か、サバ記念碑が建立されるだろう。