目の前に、タイの刺身がある。
小皿に、醬油をさし、ワサビを軽くとく。
箸で、タイを持ち上げ、チョンチョンとワサビ醤油に浸し、
口元へ持ってくる。
えもいわれぬ瞬間だ。
暫くして、ふと、
タイならば、ポン酢に一味唐辛子にしてみようかな・・
冷蔵庫から、ポン酢を持ってきた。
その時、
一味を掛けるべき所で、間違って
ワサビを入れてしまった。
ありゃま、ポン酢にワサビが入っちゃった。
ん~ま、いっか・・
そう云えば、こんな食べ方した事なかったな。
何故しなかったのだろう?
盲点だったな。
間違って生じた
ポン酢ワサビのタレに、タイを浸し、
ペロリと頬張る。
あれれ~~旨いじゃ~ん!
新鮮な驚きだった。
これまで、何度も何度もお世話になってきた二つの調味料を、
混合した事がなかったのだ。
<醤油はワサビ>
<ポン酢は、一味唐辛子>と決めてかかっていたのだ。
蕎麦に七味、
うなぎに山椒、
スパゲッティに粉チーズと決めてかかっているのと似ている。
お味噌なら、ハナマルキ、
正露丸なら、ラッパのマークと決めてかかっているのにも似ている。
(正露丸は決めてかかっていいです)
「え~私は、ずーとポン酢にワサビを入れたりしてましたよお~」
という方は、実に頭が柔らかい。
有意義な、お刺身生活を送られて来た方だ。
調味料ごときに、振り回されない素敵な舌をお持ちだ。
「え~私はそこに、更に
一味も入れるんですけど・・」
っという方もいるかもしれない。
ん~ま、いいでしょ。
好きにお食べ下さい。
「え~私は、更に
ラー油も足らすんですけど・・」
っという方もいるのですか。
はいはい、どうぞどうぞ・・
「え~私は、更に、
マヨネーズも入れるんですけんど・・」
っという方は、もう勝手にして下さい!