ある日、電車の中で、
お父さんと、ハルちゃんという小さな男の子が喋っていた。
ハル「お父さん、この包み紙に貼ってある折り紙は、何?」
父『それはね、電器屋さんが、
ウチの商品ですって貼ってるんだよ』
ハル「タイコは何で出来てるノ?」
父『木と皮と棒かな?』
ハル「違うよ、2個だよ、木と皮だよ」
父『そうか、棒も木だな、えらいなハルちゃん』
ハル「ボクの体って、ヒトで出来てるンだよネ」
父『ううん、ハルちゃんが、ヒトなんだヨ』
ハル「じゃあ、ボクはナンで出来てるノ?」
父『それはネ、お肉とか野菜とか魚とか・・』
ハル「そうか、ボクは飲み物で出来てるンだね」
父『・・・』
ハル「お父さん、クニってなに?」
父『お父さんは解ってるつもりだけど、
ハルちゃんに説明するのは
ムツカシイなあ』
ハル「ふぅん、
ナツカシイのかあ」
父『え~とネ・・・』
やさしく、やさしく語り続けるお父さんであった。
ある日、新幹線の中での事だ。
混んでいた。
自由席は通路にも人が溢れていた。
そこに、お父さんと小学生低学年の
二人の兄弟がいた。
立ちっぱなしの兄弟は、疲れていた。
グズっていた。
父「なんや、おまえら、何グズグズ言うとるネン」
兄『ビックル飲みたいネン』
父「ビックルぅ?ほな、大阪着いたら買うたる」
兄『やったぁ~』
(弟もグズリ続けている)
父「お前は,何したいんヤ!」
弟『ぼく、ウルトラマンになりたいネン』
父「そら、あかん」
会話は、終わった。
腹話術人形