以前から、アレが恥ずかしくて仕方がなかった。
レンタルビデオ屋さんで、ビデオを選び・・
(ん~と、訂正しよう)
レンタルDVD屋さんで、DVDを選び、レジにゆく。
何やかやの手続きをし、最後に料金を払う。
さあ~て、問題はその後だ!
カウンターの向こうのお兄ちゃんが、
お釣りを寄こす。
その行為が、今日のテーマだ。
スローモーションで見てみよう。
お釣りを受け取ろうと、私は右手をカウンターの上に差し出す。
すると、お兄ちゃんは、
右手に持ったお釣り(240円)を差し出しながら、
私の
手の下に、左手を差し込んでくるのだ。
この行為は、きっと、
《こぼさない様に、丁寧に渡す》
という意味が込められていると思う。
実に、日本人的な発想である。
ただし、
過去の日本の伝統には無かったマナーであろう。
(たぶん)
この行為は、そのDVD屋さんの方針であろうから、
それはそれで、私如きが、文句を付ける筋合いではない。
むしろ、新たなマナーの奨励として、拍手するべきかもしれない。
ところがだ!
・・スローモーションに戻ろう。
彼の右手のお釣りが、落ちると同時に、
彼の左手が、
私の右手の甲を包むのだ!
触るのだ!
そりゃそうだろう。
下から支えようとしているのだから、
接触するのは当たり前だ。
男は手が熱い。
私も男だ。
やはり、手が熱い。
その二人の男の熱い手が
モッチャリと接触する。
ネチョっと接触する。
いっそ、ガシっと握手の如く、掴んでくれれば納得するが、
ホニャっと触れるあの温かみが、不気味である。
勿論、彼らの行為にケチはつけられない。
会社の方針だし、理不尽な事はしていない。
そこで、私は私なりの対策を考えた。
お釣りを受け取る手を差し出す時、
カウンターの上に、
手の甲をベッタリとくっ付けて出すのである。
カウンターと自分の手の隙間を無くすのだ。
爪がカウンターに接していると思って欲しい。
すると、どうなる?
彼は、一瞬たじろぐ。
差し込もうとした空間が無い状況に、思わず手が止まる。
一瞬ののち、お釣りを持った手だけが、動きだし、
私の手の平にチャリンと落とす。
成功・・
しかして、私のビデオ屋・・じゃなかったDVD屋さんでの
ささやかな闘いは続いている。