人より指先が器用な私が、未だに、上手く出来ないコトがある。
<コンビニで売っているオニギリのパックの開け方>
まともに、開封出来た試しがない。
必ずと言っていいほど、
海苔が破ける。
理由が解らない。
今も、コンビニで手に入れたオニギリが、目の前にある。
今日は、あなたに、私の
オニギリの開け方を検討して頂きたい。
お願いします。
まず、オニギリを正面に向かせる。
<焼きタラコ>と書いてあるから、当然こっちが正面だろう。
左手で、三角形の左下を持ち、
右手で、頂上にある<ココ>という赤い線の、
ミシン目が入った部分を引っ張る。
すると、ピリピリ・・と下に剥がれてゆく。
今、正面の真下まで剥がれた。
そこで、オニギリを持ち換える。
真下の長方形が見える様にする。
更に、右手は透明ビニールを引っ張る。
(ん・・?ビニールで良かったか?パラフィンか?)
底の部分が、今、剥がれた。
ここまでは、実に首尾よくいっている。
問題はここからだ!
手首を捻り、オニギリを持ち換える。
最後の部分だ。
いわゆる、裏側だ。
<裏側>は正面のノッペリに反して、複雑だ。
折りたたまれたビニールが、何かの接着剤で止まっている。
(ビニールでほんとに良かったか?)
困った事に、商品を紹介する文字を並べた白い紙が、
そこに貼られている。
このオニギリの出自が書かれてある。
よし、もう一回、裏側を再確認してみよう。
まるで、ビニールで出来た和の着物を右左と合わせた後に、
細かい文字が羅列した白い紙が、帯の様に貼られている。
何がしかの接着剤で・・
私の右手の指は、
最初に持った小さなビニールの端を離していない。
そのまま、ピリピリと突き進む。
アリ・・?
進めなくなった。
抵抗がある。
抵抗の原因は、先ほどの
出自の書かれた白い紙だ。
随分頑固な接着剤を使用しているらしく、進まない。
以前、ここで考えた。
ひょっとしたら、この白い紙をあらかじめ剥がすのだろうか?
爪でポリポリやってみた。
上手くいかなかった。
むしろ悲惨な状態になった。
オニギリが飛び出して、砂まみれになった事もあった。
経験は人を育てる。
だから、勇気を持って、右手を引き下ろす。
ビリッ・・ビリッ・・
おおっ、ついにその白い紙が剥がれていく・・のだが、
なぜか、曲
がりながら、そいつは剥がれるのだ。
っと同時に、
お決まりの崩壊が始まるのだ。
どちらかの海苔の入った三角形が千切れるのだ。
海苔の小片がビニールの中に残るのだ。
はい、ここまでが私の開封の全容です。
これって、間違ってますか?
10回に9回、海苔が残ってしまいます。
あとの1回は、オニギリが三角形でなくなります。
何か
やり方に欠陥がありますか?
私個人は、犯人は、あの白い紙だと睨んでいるのですが、
間違ってますか?
このままだと、私は生涯、
完璧な海苔の付いたコンビニのオニギリを
口に出来ないかもしれないのだ。
一億二千万の世の中の人々は、みんなどうしているのだろう?
今、傍らのテーブルにある、
ビニールに残された、三角形の海苔の残骸を見ながら、
首をかしげています・・ビクター犬のように。