カテゴリ:昔々おバカな話( 428 )
岩木山音頭
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 岩木山(いわきやま)が気になる。
先日、岩手山(いわてさん)の話の折に、
イワキヤマの話が、ついでに出た。
あれは、岩手県での話だった。
その折、岩木山は青森県だと振った。
岩木山に登るにはどうしたらいいのか?
聞けば、青森県の最高峰と云うでないか!
1625m
単独峰として、津軽平野にニョキニョキ生えている。

っと、ここで、話は30年ほど前にさかのぼる。
その当時、カラオケボックスが、流行り始めた頃だった。
自分たちで、選曲ができだした頃だ。
リモコンのボタンで、選曲し、スタートを押せば、
パララ~~~~
イントロが流れ始める時代だ。
音質改善だの、何もない。
ボタンを押せば、目の前の画面に歌詞が出現し、
まさにカラのオケが奏でられる仕組みだ。

その頃、私たち役者が、芝居の旅で、地方を巡っていた。
芝居が終われば、毎夜のように、カラオケボックスにこもった。
いっけん楽しかったが、連日となると、
誰が何を唄うのか、同じ毎夜になる。
これが、うっとおしかった。
そこで・・・面白い企画を編み出した。
 《闇カラオケ》
通称、ヤミカラ。
ルールはこうだ。

リモコンのボタンをデタラメに押す。
 始まった曲を、その人は、歌わなくてはならない。

たとえ、演歌だろうと、最近の歌だろうと、英語の曲だろうと、
唄わなくてはならない。
さあ、そんな時だ。
役者S君が、押した曲が、画面に現れた。
 《岩木山音頭》

しばし皆、沈黙になった。
誰も知らなかった。
さあ、どうなるのだろう?
固唾をのんだ。
すると・・・
かの役者S君、イントロに乗り、見事に歌いだした。
全く知らないハズである。
しかし、日本人たるもの、音頭に関しては、自信がある。
なんとかしようという意気込みが伝わる。
実際、我々も知らないワケだから、
ある意味デタラメ歌っているにも関わらず、
それなりに、手拍子が出たりする。
なんと、3番まで歌い切り、
最後は、拍手拍手喝采で終わった。

さあ、ここからが面白い!
その後、ヤミカラは連日続いたのであるが、
S君に関しては、岩木山音頭のあまりものノリの良さに、
彼は特別に、それオンリーの歌手に指定された。
ボックスに入れば、まず、岩木山音頭!
途中、たるみが出れば、岩木山音頭!
最後の〆は、岩木山音頭!

しかして、一か月以上が過ぎた。
ふと・・・
よくよく考えてみると、我々は、岩木山音頭の原曲を知らない。
知らないが、S君のおかげで、物凄く親しみはある。
でも知らない。
知りたい気持ちはあるのだが、なんせ、30年近く前の話。
まだ、カセットなるものが幅を利かせていた時代。
どうやって、原曲を探せばいいのかすら分からなかった。

で、私は未だに、元なる《岩木山音頭》を知らない。

アッそうだ・・岩木山に登る話だった。
又、あした!
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by ishimaru_ken | 2017-09-16 05:42 | 昔々おバカな話
絵を描きたい
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 その昔、私が通った高校は、進学校であった。
勉強にことのほか熱心な授業が行われていた。
一日7時間、いや8時間授業もあった。

その中、一応、芸術系の選択授業がある。
美術か音楽か選びなさいと入学時に問われる。
迷うことなく、美術を選んだ。
絵が好きだったからという理由に過ぎない。
一週間に、一時間の授業時間に絵を描いた。
楽しかった。
夢中になった。
出来た絵を自分で見た。
ヘタだった。

ヘタだが、絵を描くことは好きだった。
「絵の道に進みたい!」
一瞬、思いが膨らんだ。
当時、下宿をしていた4畳の部屋で、絵画作成に励んだ。
毎日、自分で拵えたキャンバスに、油絵を描いた。
 「あまりうまくないな・・」
答えが出た。

突然、断筆した。
プロでもないのに、断筆宣言をした。
そして・・・数十年。
いまだ、絵筆を握っていない。
時折、へたくそな挿入挿絵を描いているが、
見てのとおり、ヘタクソだ。

いつか、絵を描きたい。
その頃の想いは変わらない。
・・・最初に描くのは、
《自画像》にしようかなぁ~
最もヘタさが分かりにくいだろうから・・・
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  私が描いた絵ではない。
  冒頭の上臼杵駅を誰かが描いた絵
by ishimaru_ken | 2017-08-31 05:48 | 昔々おバカな話
おだたる
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 時折、こういう事をやっちまう時がある。
写真のようにだ。
パソコンの前に、酒グラスを置き、
あろうことか、イワシの焼き物を置き、
箸でツマミながら、文字を書いていたりする。

滅多にないことだが、言ってみれば、
<機嫌のいい日>だ。
ところが、コレは危ない。
キーボードにいつ水滴を落とすか分からない。
水滴どころか、グラスごと、ぶちまけるかもしれない。
調子に乗って、醤油に浸したイワシの身が、
ポタリと落ちるかもしれない。
なんせ、集中しているのは、パソコン画面だ。
落ちたことすら気付かないかもしれない。

 「あれぇ~パグっちゃったぁ~」
のん気にアクタイをついた原因が、
自分の機嫌だったのかもしれない。
機嫌のいい日は注意得意日かもしれない。
子供は、おだたると、ケガをしたりする。
おだたるとは、
異様に興奮して普段の自分以上に、
何かが出来るような気がしている状態である。
調子にのった絶好調だと勘違いしている。
あくまで勘違いなのだが、
これはこれで良い傾向なのかもしれない。

おだたった自分を知るのも、大切な経験だ。
アドレナリンがやたら出てしまったボクを、
制御する方法を覚えるいい機会だと捉えよう。
ここまでは、子供の話だ。
大人になったら、そう易々と、おだたらなくなる。
よっぽどの状況がこない限り、おだたりはしない。

 文学賞を受賞したとか、
 マラソンで優勝したとか、
 全国将棋大会で優勝したとか、
 逆転ホームランを打ったとか・・・

とかは、そうそうやってこない。
せっかくやってきても、
「ここは大人なんだから」と、大人的な制御が働いてしまい、
冷静でいようとする自分がいたりする。
残念である。
子供のように、泡を噴くほど、おだたって欲しいものだ。
・・っと、ここで?

《おだたる》を辞書でひいてみたのだが、出てこない。
今、家人に訊いてみた所、知らないという。
なんと、《おだたる》は大分の方言だったのだ。
し、知らなかった。
知らずにこれまで使っていた。
随分使用した覚えがある。
聞いた方は、私が喋っている内容を理解できなかったハズ。
困った・・・
このほかにも、
まだ私が方言を使って喋っている言葉があるに違いない。
ガ~~~~~ン
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 大分県豊後高田市のボンネットバス   昭和の町
by ishimaru_ken | 2017-08-30 05:25 | 昔々おバカな話
アルバムだけ持って
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 「地震や火事が起きたらだナ・・・」
その昔、父親が必ず言っていた言葉がある。
 「他のモノはいい、ただ、アルバム写真だけ持って逃げろ」

《アルバム》
これだけは、買えないモノだと諭していた。
現在のように、写真が大量に撮られる時代ではない。
一年に、数枚、撮られればいい方だった。
しかも我が家にカメラはない。
どこかの誰かが、たまたまカメラを持ち込んだ時に、
家族がこぞって集まり、パシャリに応じた。
焼きあがってくるのは、相当時間が経った頃。
父親が、丁寧にアルバムに貼ってゆく。
子供それぞれのアルバムを作ってくれた。

 「アルバムだけ持って逃げろ!」の教えは、
常に家族の頭の隅にあり、
グラッと来たおりなど、飛び出した庭先に、
アルバムを抱えた私がいたりした。
残念ながら、他の家族の手には何もなく、
指令を出した父親も手ぶらだった。
幸い、火事に会ったことはなかったものの。
おそらく火事現場でも、目らんらんの、
アルバムを抱えた私がいただろう・・

成長の記録、家族の思い出・・・
戦争で苦労した父親には、
ことのほか、家族への想いが強かった。
白黒写真を、糊でアルバムに貼り付け、
家族の歴史を綴じこめる作業に、
喜びを抱いていた。
いちページにホンの数枚。
時には、一枚だけ。
ページをめくるにつれ、成長してゆく子供。
そして、家族・・・

 「アルバムだけ持って・・・」
ほかに持って逃げるほどのモノも、
お金も無かった時代だった。
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by ishimaru_ken | 2017-08-26 05:28 | 昔々おバカな話
台風がやってくる
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 私は、台風に敏感な九州で子供時代を過ごした。
あれが大人時代であれば、台風のやっかいさに、
苦虫をつぶしただろうが、
なんせ、子供である。
大人たちが、台風接近で右往左往するのが、面白かった。
父親が、雨戸に木の板をエックスに釘で打ち付けた。

まだテレビが昼間、テストパターンで、
ニュースすら送って来なかったあの頃、
台風は、情報知らずの我々に、
いきなり襲ってくる恐怖の大王だった。
 「ただいま台風は勢力を増し、ダイブン地方を通過し、」
天下のNHKですら、大分ダイブンと読み間違うほどの、
パニックが起こっていた。

今のうちに・・と母親が、夕ご飯を造り、
ロウソクに照らされた中で、オニギリをパクついたものだった。
まだ襲って来ていない台風なのに、
皆が怯えている。
目らんらん状態に心拍数があがっていた。

そして、その恐怖の大王は、
子供たちが、待ち疲れて眠ってしまった頃にやってくる。
いきなりの大音響が、雨戸を叩く。
ガタガタガタガタ!
ゴオオオオオオオ~
ピイイイイイイイ~
 「大丈夫だ、なんともない」
父親が静かに語る言葉に説得力がない。
子供は意外と冷静に判断している。
ドカアアア~~~ン!
何かが起こったらしい。
 「大丈夫だ、この家は飛ばん」
子供心に、<根拠>という言葉を学ぶ。
何の根拠があって、父親は飛ばないと信じているのか?
バッコ~~ン!
裏の方で、雨戸が飛んだようだ。
バタバタバタバタ!
風が家の中を噴きすさんでゆく。
 「大丈夫だ、心配ない」
あくまで口調は静かだが、父親は、母親の手を握っている。
今思えば、あれは逃げる準備だったのかもしれない。
しれないが、今さら糾弾するつもりはない。
愛情には、優先順位がある。

翌朝、つまり、台風一過。
これ以上ない蒼空に磨かれた天空を背景に、
父親が、雨戸をはがしながら、大きな男を演じる。
 「俺が飛ばんと言ったら飛ばん、
  大丈夫と言ったじゃろ!ワハハ」
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by ishimaru_ken | 2017-08-18 06:10 | 昔々おバカな話
クーラーに憧れて
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~昨日のつづき~

役者として、何者でもなかった時代。
アパートに殆ど家具らしきものが無かった時代。
欲しかった電化製品は何?

 《クーラー》

真夏がとんでもなく暑い大都会東京。
夜になっても、昼の暑い大気が、たゆたっている下町。
土がないセイで、気温が下がらない。
おまけに、クーラーのないアパートは、
窓を開けっぱなしにして、夜を過ごすしか手立てがなく、
隣のアパートやマンションのクーラー室外機から噴き出す、
熱風をいや応なく浴びている。
そんな時、憧れとして、つぶやいた。
 「クーラー欲しい」

部屋には、冷蔵庫もある、洗濯機もある。
(白黒だが)テレビもある、ラジオもある。
電化製品という言い方でいえば、トースターもある。
まだ電子レンジが世の中に無かった時代。
私の熱を冷ますには、
けたたましく音をたてて回る扇風機だけが頼りだった。
しかし・・・
暑い暑い真夏の二か月間、
爆裂しそうな身体の暑さを冷やす道具が欲しかった。
 「クーラーが欲しい」

なぜか私の中では、クーラーは贅沢品と捉えられていた。
タクシーに《冷房車》の表示があり、
電車にも《冷房車》の張り紙があった時代。
つまり、世の中がすべて冷房完備になる以前の話だ。

私を冷ますには、水に浸かるしかない。
ヨシッ
バスタブに水を張る。
首までつかる。
しばらくすると、水が生暖かく感じる。
ヨシッ
シュノーケルを顔に装着し、頭の先まで水中に没する。
しかし、この状態では身体が浮き上がってしまう。
ここで、用意していた大きな石が登場する。
風呂ブタを閉め、その上に石を乗せる。
隙間からシュノーケルを突き出す。
シューシューシュー
無の境地に近づこうとしている。

《水中座禅》と私は呼んでいた。
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by ishimaru_ken | 2017-07-24 05:56 | 昔々おバカな話
電化製品に飢えた時代
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 部屋に、何の電化製品が来たら嬉しかったか?

一人で住むようになって、最初に買った電化製品は、
《冷蔵庫》
大学時代の春に上京したのだから、夏に向かう学生として、
暑さ対策が急務だった。
冷たいものを保存する冷蔵庫は、憧れの対象だった。
冷蔵庫さえあれば、文明人なのだと、自覚できた。

「えっ、テレビじゃないんですか?」
その質問は、正しい。
正しいが、テレビは、食堂やレストランで見ることが出来た。

「えっ、洗濯機じゃないんですか?」
この質問も正しい。
しかし、洗濯は、今でいうコインランドリー、
つまり、銭湯に洗濯機があった。

「えっ、暖房機じゃないんですか?」
こいつは、困った質問だ。
やがて秋になり冬になる。
暖房器具は必須アイテムに違いない。
しかし、青春とは、熱いカタマリだ。
真冬の寒さなど、なにするものゾ!
どうしても寒い夜は、布団の上に重いテーブルなどを乗せて、
ごまかしたものだった。

したがって、最初に欲しかった電化製品は、
《冷蔵庫》なのである。

では・・・
その後の貧困時代。
役者として何者でもなかった時代。
年収のほとんど無かった時代とでも言おうか、
その時代に、欲しかった電化製品は何だったか?
明日、その答えを・・・
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by ishimaru_ken | 2017-07-23 05:47 | 昔々おバカな話
初キャンプ
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 キャンプを初めてしたのは、いつだろう?

親に連れていかれた記憶はない。
中高生の時代でもない。
大学で上京した東京時代である。
17才。
コレをキャンプと呼んでいいのかどうか・・
埼玉県の山中、テントを張って星空を眺めていた。
なんでそんな事をしていたのか?

「○○彗星が、接近しています」
テレビで、今夜、流星群が観られると煽られた。
スワっ
慌てて、下宿アパートをとびだした。
背中には、リュックに簡易テントが積まれている。
電車で、なるべく山奥に行ける駅まで行った。
改札を抜け、日が暮れるまで、山の稜線を目指した。
どんよりとした日暮れ。
山の上で、テントを張った。
初めてのキャンプと呼ぶには、いい加減。
そりゃそうだ。
無計画でとびだしたので、食料や飲料は、
ほとんど持っていない。
コンビニも、ペットボトルも無い時代。
水も、お茶も売ってなかった時代。
水筒に入れた水と、パン屋で買い求めた食パンが、
今夜の食料だ。

テントを張るペグを、カナヅチで打ちながら、空を仰ぎ見る。
う~ん、曇っている。
気象情報も確かめずに、出かけた。
とはいえ、その当時(45年前)気象情報を知るすべがなかった。

いつか晴れるのではないかと、首を空に向け、
食パンの耳をかじりながら、
初キャンプを満喫していたのであった。
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         《狐のボタン》
by ishimaru_ken | 2017-07-18 05:52 | 昔々おバカな話
リアル
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 スーパーマンが、走ってきて、窓に向こうに飛び出す!
50年以上前に見た、ワンシーンだ。

小学生のけんじろう君は、それを見て、
「ふ~ん、あのあと、あのひとはどうなるのだろう?」
シーン的には、そのあと、あのひとは空を飛んでいる。
しかし、子供は意外に、冷静に見ているものだ。
どう考えても、窓から飛び出したら落ちる。
(たぶん、あのひとは落ちたな)

今語っているのは、リアルの考え方だ。
当時のリアルと、現代のリアルは違う。
現代のリアルの方が、圧倒的なリアル感を求めている。
一部のスキのないリアルを求めている。
しかし・・・
人間の想像力は、果てしない。
ある程度のルーズ感がある方が、面白いのではないか。
人間の想像力が、不自然な部分を埋めてくれるのではないか。

現実と空想の隙間を埋める作業は、いがいと難しい。
人によって、捉え方が違うからなのだが、
その差は、相当あると思われる。
さっきの話を例えにすると、

「窓から飛び出したスーパーマンは落ちた」と考える私と、
『そのまま飛んでいった』と言う友人がいる。
「あんなに早く服を着替えられるのはおかしい」という私に対し、
『おかしくない』と言う友人。
「クラークケントがスーパーマンだと、気づかないのは変だ」
という私に、
『考えてもみなかった』と反論する友人の鼻息は荒い。

どちらが、よりスーパーマンを堪能しているかといえば、
友人の方であるのは明らかだ。
リアルの考え方が違うからである。
現在のスーパーマンは、
私のようなひねくれた考え方をする人たちの意見を受け入れ、
どんどんリアルを追求している。
少々の間違いを強引さで押し通した時代の映画を、古いと指摘する。
しかし・・・
その間違いや、強引さを楽しむのも一興だったのではないか?

地球上に初めて現れた怪獣を見た村人が、
「ゴジラだ!」と絶叫してもいいのではないか?
『なぜ、その名前を知ったんだ?』
などと追及しなくてもいいのではないか?

ウルトラマンが怪獣と同じ大きさに変身した時、
<質量不変の法則>などを持ち出して、
議論しなくてもいいのではないか?

仮面ライダーのバイクに、
品川ナンバーが貼られてたっていいじゃないか!
しまった、極秘情報をバラシてしまった。
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by ishimaru_ken | 2017-07-17 05:44 | 昔々おバカな話
ちりがみのコダワリ
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 なんか知らんけども、男はトイレットペーパーにこだわっている。
ロールペーパーが気になっている。
グルグル巻きの、あの紙の具合に、
生活の多くの部分が関わっていると感じている。
なんでも良いワケではない。
「紙であればいいじゃん」などという意見が受け入れられない。

その昔(50年前)、トイレの紙入れには、
バリバリした堅い紙があった。
ロールが、まだ無かった時代だ。
専用の紙があるならまだしも、
たいがいは、新聞紙が、四角にハサミで刻まれて置かれてあった。
スーパーのチラシが、同じように刻まれてあった。
そのすべては、こう呼ばれていた。
 《ちりがみ》

当時、<トイレ>と、まだ呼ばれない時代の<便所>から、
大きな声が、聞こえたものだった。 

「お~い、ちりがみが無~い、持ってきてぇ~!」
便所に入って、紙が無いと気づいたヤツが叫んでいる。
「だれかぁ~ちりがみ無いゾ~」
悲壮な雄たけびは、現代家屋ならまだしも、
障子と襖と廊下がいり乱れる古い家屋では、
声が吸い込まれ、届くはずもない。
「おお~い」とかすれ声になりながら、
軽いパニックに陥っている。

時は経って現代。
その頃の恨みを抱いた男は、トイレットペーパーにこだわる。
やたらこだわる。
この男は、ビールは、発泡酒でも許せるくせに、
トイレットペーパーは、プレミア品でないと許せない。
ちりがみを連想させる品が許せない。
許せないあまり、移動時には、
マイトイレットペーパーを持ち歩いている。
そして・・時折、叫んでいる。

「おお~い、俺のトイレットペーパーが無~い!」
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by ishimaru_ken | 2017-07-12 05:42 | 昔々おバカな話



石丸謙二郎
by ishimaru_ken
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