一昨日、昨日と続く、競争シリーズだ。
今日は、新幹線に乗って頂く。
4人くらいだと喜ばしい。
手の中に、千円札を握り締めて頂く。
アイスクリーム売りが来るのを、今か今かと待って頂く。
「アイスクリームいかぁですかぁ」
来た!
即座に千円札を差し出し、
『4つ下さい。先にスプーンを4つ下さい』
ここで、販売員は怪訝な顔をする。
そこはお構いなく、4つのスプーンを受け取り4人に配る。
そして販売員の担いだ銀色の簡易冷蔵庫から現れるのが、
競争の現物となる
アイスクリームだ。
販売員から渡されるや即座に4人はそれを手に取る。
手に取った時点で、ヨーイドンと云う事になる。
何がヨーイドンかと言うと、誰が最初に
《スプーン一杯の塊を食べられるか》である。
「え~そんなの簡単じゃ~ん」と呟いたあなた。
すぐに、新幹線のチケットを買いに走りなさい!
もうすぐ夏だから、頻繁にアイスクリーム売りがやって来る。
250円用意しときなさい。
さっきの手順で買い求めなさい。
さあ、目の前にそのアイスクリームがありますね。
手には、プラスチックの小さなスプーンだ。
紙のフタを外す。
ちょっとキナリ色のバニラアイスが現れる。
ほら、スプーンを差し込むんだよ。
ガチンっ!
ん・・?
硬い・・いや、堅い。
コンクリーのように堅い。
プラスチックのスプーンは、
ガラスの表面を撫でているのとなんら変わりない。
かすり傷ひとつ出来ない。
そうなのだ。
新幹線の中で売りに来るアイスクリームは、
日本一堅いアイスである。
そんじょそこらの軟弱なアイスと一緒にして貰っちゃ困る。
コチンコチンの二乗と言おう。
ここから、スプーン一杯の塊をホジクリ出そうってんだから、
相当な体力と頭を使わなくてはならない。
ゆっくり待てば誰でも出来る。
しかし、今日は競争だ。
ルールは、
スプーン以外使ってはならない。
そのスプーンが折れたら失格。
取り出す一塊の大きさは、
誰もが納得する大きさでなくてはならない。
ほうらどうです?
簡単ですかぁ~?
あなたなら、どうやって早く柔らかくすますぅ~?
南伊豆