
「アレっ田んぼだア・・」
と、思わず声が出たココは、銀座である。
東京の花の銀座のど真ん中である。
私が足繁く通う
美容院は、銀座にある。
その日も、ブラブラと銀ブラをかましていたところ、
突然そいつは現れた。
<銀田> (ぎんでん)・・銀座にあるから私がそう名づけた。
というより、在ったビルが無くなり、土まみれの土地が出現した。
銀田は、みるみる内に、激しく泥をぶち込まれ、
周りを風呂屋のカキワリの富士山よろしく、
ジオラマ風に装われた。
本物の田んぼの登場である。
周りをビルに囲まれた場所で、僅かな日光をたよりに、
稲を育てようというのだ。
「誰が?」
『知らない』
知らないけども、稲は、日々育っている。
ショキショキ
髪の毛を切って貰いながら、育ち具合を眺めている。
(あの田んぼ、坪いくらの土地だろう?)
私のささやかな髪が床に落ちる度に、つぶやく。
(出来た米は、キロいくらになるだろう?)
秋になったら、鳥避けネットは吊るすのだろうか?
スズメがいるとも思えないが、鳩はいるしカラスもいるぞ。
モグラや猪は居ないが、最大の天敵、人間がいるぞ。
農村の田んぼの横には、一日に数人しか人が通らないが、
この場所は、半端じゃないぞ。
ヘタすると、小さな町の住人全部ぐらいの人が通るぞ。
わざわざ田んぼを見に来る人もいるので、
それはそれは、たいへんな人だかりだぞ。
田んぼが終わった秋以降、どうするのだろうか?
二期作として、麦に挑戦するのだろうか?
春先には、菜の花を咲かせてくれるかな?
春には、レンゲを咲かせてくれるかな?