「フロッグとトードって、ミュージカルをやってましてね」
電話中だ。
『えっ、何だって?』
「ええ、フロッグとトードなんですけど」
『フロっ・・ト』
「フロッッぐと、ト~ど・・です」
『フロォっ・・』
電話の先にいるのは知人である。
言葉に対して、あまり関心を持たない方である。
「だから、フロッグとですね・・トード・・」
『何だって?
付録の話なのかぁ?』
この方、関西流のボケをかましている訳ではない。
本気で、聞き間違いをしている。
「もう一回言いますよ、フロッグと~」
『
フラッグがどうしたって?』
「はひふのフ、らりるのロ、がぎぐのグ、です」
「フログ・・?」
そう云えば、この方、以前、
私がやっている
ウインドサーフィンを何度説明しても、
『どう?最近
サーフィンは?』
と言い続けた御仁だ。
サーフィンとウインドサーフィンの違いを
こんこんと説明したにも拘わらず、
『で、今度いつ、サーフィンやるの?』
と質問した御仁だ。
「よく聞いて下さいネ、フロッグとトード」
『おう!解った解った、フロッグとトードな』
「そうです!」
『フロッグとトードな』
「そうで~す!」
その夜、その知人からメールが届いた。
『真夏に
フロックコートの芝居は暑いだろぉ』