<かっぱ祭り>
又々、大分の奇祭に行ってきた。
<奇祭>とは、
奇抜で特別な祭りを指すのだが、
大分の祭りは、どれもこれも、奇抜なのだ。
この<かっぱ祭り>は、県北の耶馬渓(やばけい)にあった。
そこは、菊池寛の小説「恩讐の彼方に」に描かれた土地で、
奇岩奇勝の地である。
その祭りは、夕方、<雲八幡宮>と云う神社の境内で行われる。
40人程の老若男女が、列をなしてやってくる。
やがて、一人の大人が、なぜか
太鼓の上に乗っかるのである。
その上で、巻物を読み上げる。
この祭りの由来を語っているらしい。
源平合戦の話をしているから、その頃から続く祭りのようだ。
そして、本番が始まる。
広場の真ん中に、
4人の幼子が置かれる。
5歳以下。
これが、かっぱである。
かっぱとは、平家の落人を表しているんだそな。
その落人がその昔、悪さをしていたので、それを鎮める為に、
4人の大人が、大きなウチワで扇ぐのだそな。
今年かっぱに選ばれたひとり、
4才の子供は、寒がりだった。
始まった時から、寒い寒いと泣いていた。
ところが大人共は、ほったらかしにした挙句、
周りから、大きなウチワで扇ぐではないか!
「うえ~ん、さむいヨ~」
泣き続けても、祭りはどんどんすすんでゆく。
ガンガン扇ぎ続ける。
やがて、祭りは終わりを迎え、泣き続けたその子の元に、
お父さんが、走り寄る。
ん・・?
あれ?あんた、さっきウチワ持って、
その子をガンガン扇いでた人じゃないの。
泣いてる我が子を、もっと泣かしていたんかい!
祭りとは、おかしなもんである。