恐ろしい注意書き
又々行ってきてしまった。
<入水鍾乳洞>(いりみず)
私が、好きでやまない鍾乳洞だ。
福島県の、あぶくま洞の近くにある。
なんと今回、テレビカメラと共に、入洞したのだ。
このコーナーに足繁く通って下さっているアナタに言わせれば、
「あ~又、イリミズの話ですかぁ~」
っと、欠伸まじりに、げんなりされるでしょうが、
ま・ま・そこは一つ、夏の風物詩という事で、お許しを・・
えっ、もう夏は終わった?
ほんじゃ、秋の運動会の一環として、拝聴頂ければ・・
入水鍾乳洞の特徴は、灯りが殆んど点いていない点だ。
狭い洞内を進めば進むほど、証明がなくなる。
所によっては、全く灯りが無い。
つまり、真の闇となる。
そんな場所にどうやって進むのかと云うと、
たった一本、持たされるのだ。
・・ロウソクを・・
同時に持たされたマッチをビニール袋に入れ、
胸のポケットに入れる。
ズボンのポケットではなく、胸のポケットに入れる。
この洞窟は、動物の腸の中を進んでいる感覚に陥る。
ウネウネと狭い通路を、腰を屈めて歩いてゆく。
足元は、常に水が流れている。
その温度、10℃ !
サウナにある冷水が、18~20℃である事を考えると、
もの凄く冷たい水だ。
浸かっている足が千切れそうに痛い。
ただし、5分も我慢していれば、麻痺するのでご安心を・・
ところが、ご安心出来ないのが、ロウソクだ。
天井からは、水が常に滴り落ちている。
その水滴がポタリと炎を消してしまうのだ。
ヒエ~!
真っ暗である。
そうだ、ここは、冷静になってマッチを摺らなければ。
胸に入れておいたマッチを取り出す。
ビニールを開ける。
ちょっと待てよ・・
今、指が濡れているぞ。
この濡れた指で、火薬の方を触ったらえらい事だぞ。
マッチ箱の摺られる箇所も触ってはいけないぞ。
見えない目をぐっと見開き、そお~とマッチ棒を掴み、
そお~と、摺り始める。
もし、ここで手が滑って、
マッチ箱ごと水の中に落としてしまったら、
新聞にはこう載ってしまうのだ・・<遭難>
シュバッ!
おお点いた、点いた!
さらに前進すると、突然行き止まりになる。
ロウソクで辺りを照らすと、足元に横穴があるのを発見する。
はい今、アナタが事務所デスクに座っているとしましょう。
足元には、四角い穴が開いていますよネ。
その穴に、足のスネまで水が流れていると思って下さい。
はい、試しにロウソクを手に持ったつもりで、
デスクの下に潜り込みましょう。
その先は、10m以上続く、横穴なのだ。
這って進むので、下半身はビショ濡れだ。
マッチを、ズボンではなく、
胸のポケットに入れた意味をここで理解する。
デスクの下で理解する。
「コラっ何やってんだ!」
上司のいぶかる声で、理解する。
探検とは、かくも過酷なものか・・と。
『いえ、係長、ロウソクが・・』
かくして地底探検は、一時間半に及んだ。
その模様は、
9月2日、午後2時からの《サカス》にて、生放送
TBS系列;関東ローカル
入洞前
入洞後